3月9日から1次ラウンドが始まるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表メンバーに、ヤクルトスワローズの山田哲人選手が内定しました。数々の国際試合で勝負強さを発揮してきた好選手ですが、キャプテンシーにも注目です。
目次
- 1. ミスタートリプルスリーの山田哲人選手が代表入り
- 2. 50メートルを5秒8で走る俊足
- 3. 侍ジャパンを救う山田選手の洞察力
- 4. 甘えを断ち切りキャプテンに志願
- 5. リーグ連覇が決まると号泣
- 6. 持ち前のキャプテンシーで個性派チームをまとめあげる
ミスタートリプルスリーの山田哲人選手が代表入り
打率3割・30ホームラン・30盗塁の「トリプルスリー」を最年少で3回達成しているヤクルトスワローズの山田哲人選手(30)が、3月9日から始まるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表「侍ジャパン」メンバーに内定しました。
山田選手はこれまで2015年と2019年のWBSCプレミア12、2017年のWBC、2021年の東京五輪で代表メンバーに選ばれ、特に東京五輪では決勝戦で対戦した米国のメディアも山田選手の勝負強さに注目。野球世界一を決める今回のWBCでも活躍が期待されます。
50メートルを5秒8で走る俊足
山田選手の特徴はトリプルスリーを複数回達成していることからも分かる通り、打撃におけるヒッティング力とパンチ力とともに盗塁も狙える好選手であることです。
中学時代に100メートルを11秒5、50メートルは5秒8を記録するなど足の速さについてはピカイチ。しかし走力だけでは盗塁はできません。プロレベルとなれば、打者に投球してから進塁しても盗塁はほぼ成功しません。投手が確実に打者へ投球することを見抜き、投球動作に入った瞬間にスタートして初めて成功します。走力だけでなく投手のクセを見抜くことができれば成功率は格段に向上。つまり山田選手は単に足が速いだけでなく、洞察力にも優れた選手だと言えるのです。
侍ジャパンを救う山田選手の洞察力
WBCのような世界的な短期決戦では、対戦相手の情報を十分に得られない場合があります。
野球大国の米国などは現地だけなく世界中のメディアが情報を発信しているので、代表選手個人の情報や分析まで可能です。また英語は世界で最も使用されている言語なので、得られる情報も多く理解も深まります。つまり、より詳細で的確な対策が可能なのです。しかしWBCはさまざまな国や地域のチームと対戦するため、かろうじて映像は入手できても対戦チームや選手の詳細な分析や対策は立てられるのか、不安は常に付きまといます。
そのような中で、山田選手のような洞察力に優れた選手が試合中にもたらした情報が勝敗を決する可能性が大いにあるでしょう。かつて名選手・名監督として一時代を築いた故・野村克也さんが野球は「頭」でするものと語っていましたが、山田選手がもたらす生の情報は必ずや勝利への鍵となります。
甘えを断ち切りキャプテンに志願
2022年のシーズン、ヤクルトスワローズはセ・リーグ優勝を果たしました。2021年に続く連覇となり、特に打率・ホームラン・打点の三冠王を史上最年少で獲得した村上宗隆選手の活躍に周囲が熱狂。しかし、シーズン開始当初、チームとしては山田選手に期待していたと言われています。
2020年に成績不振だった中、他のチームに移籍できるフリーエージェント(FA)宣言をせずにスワローズに残留し複数年契約を締結しました。しかし、複数年契約を結んだことで気持ちが緩んではいけないと、甘えを断ち切って自分自身を追い込むことを決めます。自らチームのキャプテンに立候補。そして2021年のシーズンスタートから山田選手はスワローズのキャプテンとして個人成績の追求だけでなく、試合に勝つためにチーム全体を引っ張る役割を担ったのです。
リーグ連覇が決まると号泣
野球におけるキャプテンも実社会と同じように、単に運動能力が優れている、あるいは成績が突出しているだけではなれません。チームメイトから信頼され誰よりもチームを愛し、そして勝利を渇望するような存在でなくてはいけません。
2022年も山田選手にとっては苦しいシーズンでした。村上選手のホームラン攻勢で波に乗っていたかに見えるチームですが、山田選手だけうまく波に乗り切れていなかったのです。
ようやく不振から脱出できたと思われた7月、チーム内で新型コロナの集団感染が発生。山田選手を含むレギュラーメンバーが長期離脱を余儀なくされたのでした。状態が上向きかけただけにショックは大きかったようです。後日、リーグ優勝が決まった日に周囲の目を気にせず号泣する山田選手の姿がありました。
「一番はほっとしたというか、すごい苦しかったけど何とか目標を達成できて良かった」とメディアに語っています。そして歓喜の輪の中で村上選手と目が合うと涙はさらにあふれ、村上選手の大きな胸に飛び込んだのでした。
持ち前のキャプテンシーで個性派チームをまとめあげる
以前はあまり自ら率先して声掛けをしなかった山田選手ですが、キャプテン就任以降は積極的にチームメイトに接してムードを盛り上げてきました。
日の丸を背負った侍ジャパンは、米大リーグのロサンゼルス・エンジェルス所属の大谷翔平選手をはじめ、日本球界最高の選手が一堂に集います。そんな中、どのようにして個性の強い選手らをいかにまとめあげて最高で最強のチームを作り上げるのか。苦しい時でもキャプテンとしてフォア・ザ・チームの精神でプレーを続けた山田選手に、栗山英樹監督だけでなく日本中の野球ファンも期待しているでしょう。
野球世界一奪還のキーマンは間違いなく山田哲人選手、そしてキャプテンシーに注目です!
- Original:https://www.appbank.net/2023/01/16/sports/2377264.php
- Source:AppBank
- Author:はねせがわ