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「永久機関」にみせかけた装置のカラクリを暴く

外部からエネルギーを受け取ることなく、永久に動き続ける装置である「永久機関」は、過去の研究から実現できないことが証明されています。しかし、一見、永久機関のように動き続ける装置が存在します。

この装置が永久機関のように動き続ける理由について、海外YouTubeチャンネル「Steve Mould」が解説しています。


*Category:テクノロジー Technology *Source:Steve Mould,wikipedia

永久機関のように動き続ける秘密とは?


この装置の上部の穴に球を落とすと、その球はレールを通って自動で元の場所に戻ってきます。そして、この動きを永遠と繰り返します。映像で見る限り、外部からのエネルギーは一切ないように見えます。


もし、本当に外部からのエネルギーがないにもかかわらず、球が動き続けるのであれば永久機関といえるでしょう。しかし、この装置には秘密があります。

この装置の下部を透明にして内部を確認してみます。すると、そこには電池、基板、電磁石などが確認できます。


そこで装置の電源を切って、再度、球を穴に落としてみます。すると球は元の場所には戻ってきませんでした。このことから、この装置は何かしらの力を球に伝えているということが分かります。

最も疑わしいのはレールの真下にある電磁石です。しかし、電磁石が常に機能していると、球は元の場所に戻ることなく電磁石の真上で止まってしまうはずです。


そこで機能するのが電磁石の隣にある接近センサーです。このセンサーを利用すれば球が特定の場所にある時に電磁石を一時的にオンにすることができます。


電磁石を調べたところ、約10ミリ秒間電圧が供給されていることが分かりました。球は約10ミリ秒の間、電磁石に引き寄せられ加速し、その勢いのままレールを飛び出し元の場所に戻っていたのです。


ただ、連続で球を転がすと電磁石のオン/オフが切り替わるタイミングがズレ、後方の球は元の場所には戻りませんでした。


ちなみに、基板をいじれば「磁力の強さ」と「電磁石がオンになっている時間」を調節することができます。


この装置には永久機関では存在しないはずの電源ボタンも隠されています。


テック系YouTuberのトム・スコット氏も指摘するように、永久機関は「存在しない」というのが原則です。同氏はこのような永久機関はすべて偽物であり、「隠された電源は常にある」と指摘していました。


» Wheels, Bombs, and Perpetual Motion Machines


» How To Debunk Perpetual Motion Machines – with Tom Scott

例えば、この有名な装置は、鉄球により重心を常に不均衡にして永久に回転させるというアイディアですが、最終的には車輪は最も低い質量中心点で平衡を見つけるか、摩擦によって停止します。


同氏によれば、このような「永久機関」を見せかけた装置は、投資家を騙す目的で昔からよく制作されていたとのこと。一方で実現された例はなく、物理学者により歴史的に否定され続けています。

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