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「タイミーさん」と呼ばれたことある? タイミー、「スポットワーカーに対しての呼称」に関する調査結果を発表

スキマバイトサービス「タイミー」は、「タイミーさん」といったスポットワーカーに対する呼称についての調査を実施。10月25日、調査結果について発表しました。

調査内容

近年「タイミーさん」のように、スポットワークのサービス名で働き手が呼称されることを
「組織の一員として見ていない」
「代替が効く労働力のようなもののように捉えていることの表れだ」

とする論調が見受けらる。

そこで、実際にスポットワーカーはその呼称についてどのような印象を持っているか意識調査を実施。その結果をもとに、「タイミーさん」という呼称の出現が社会において何を意味するか、健全な雇用関係を取り結ぶために必要なことは何か、社会言語学の専門家である三宅和子氏に話を伺ったもの。

スポットワーカー対象アンケートの結果

■勤務中に「タイミーさん」や「派遣さん」のように、「雇用形態名やスポットワークサービス名+さん」と呼ばれたことがあるスポットワーカーは4割以上

勤務中に「雇用形態名+さん」「スポットワークサービス名+さん」と呼ばれたことがあるスポットワーカーは、全体の44.0%

■「タイミーさん」や「派遣さん」のように、「雇用形態名やスポットワークサービス名+さん」の呼称を快く感じる人は、快くないと感じた人を上回る結果に

勤務中に「雇用形態名+さん」「スポットワークサービス名+さん」と呼ばれることについては、「特に何も思わない」が41.5%と最多に。また、「快い・心地よい」と回答した人は32.2%と、「快くない・心地よくない」と回答した人(24.3%)を7.9pt上回った。

■「タイミーさん」や「派遣さん」の呼称への印象としては、「匿名性があり安心する」が最多

「雇用形態名+さん」「スポットワークサービス名+さん」と呼ばれることについて受ける印象としては、「匿名性があり、安心感がある」(27.2%)と回答した人の割合が最も高くなり、「疎外感がある・距離を感じる」(18.8%)が次点に。「タイミーさん」といった呼称への印象は、人によってポジティブなものにもネガティブなものにもなることが分かる。

■「タイミーさん」と呼ばれたい人も一定数存在

勤務中にどのように呼ばれたいのかという質問においては、約半数の人が「本名」で呼ばれたい(49.6%)と答える一方、「ニックネーム」(26.5%)に次ぐ形で、「雇用形態名+さん」「スポットワークサービス名+さん」で呼ばれたいという人も2割以上存在する

専門家の見解

「タイミーさん」という呼称の出現が社会において何を意味するか、健全な雇用関係を取り結ぶために必要なことは何か、社会言語学の専門家である三宅和子氏が考察。

—— 「タイミーさん」という呼称の印象について「匿名性があり安心する」という回答が最多となりました。このことをどのように捉えられますでしょうか?

三宅氏: その人固有の名前で呼ばずにそのように名指すことは、従来的には個人としての基本的人権を尊重していないという見方になると思われます。一方で、21世紀のグローバル化、多様化が進む社会において、人と人の関係の取り結び方を捉える時には注意が必要です。

単発で、スキルも個人情報の提供も最低限で良いと謳うサービスのユーザー層は、非常に多様であると考えられます。スポットでの勤務の中でもその場その場でのコミュニケーションや人との関わり合いを楽しみ、中長期的な関係を結ぶことを好む人もいれば、個人的な情報の開示や親しい関係の取り結びに興味が無い人もいるでしょう。上記の調査結果「匿名性があり、安心感がある」と回答した人の割合が「疎外感がある・距離を感じる」を上回ったことも、その意味では不思議ではないと思います。

—— スポットワークにおいて健全な雇用関係を実現するためには、雇用側にはどのような言語的配慮が求められると思われますか?

三宅氏: 「どう呼ばれたいですか?」と一言尋ねて、個々に向き合う姿勢を示すだけでも全く違うと思います。「タイミーさん」という呼称についての印象がここまで人によって異なるのを踏まえても、スポットワーカーの多様性は否定できません。短時間・単発だとしても、そうしたコミュニケーションから始めて、働き手一人ひとりに配慮することが重要なのではないでしょうか。

【三宅和子氏 東洋大学文学部・名誉教授 プロフィール】

筑波大学大学院地域研究研究科修了。博士(文学)。専門は社会言語学、語用論、日本語教育。英国の大学で日本語教育に携わったことをきっかけに言語と社会との関係に興味をもつ。主に対人配慮(敬語を含む)、モバイルメディアとことば、移動する人々のことばとアイデンティティなどの考察を続けている。主著に『メディアとことば1、2、4』、『日本語の対人関係把握と配慮言語行動』、『移動とことば1、2』、『モビリティとことばをめぐる挑戦』など。

事業者へのアンケート調査

働き手をその方の名前(本名)で呼んでいる事業者は全体の約半数

働き手をその方の名前(本名)で呼んでいる事業者の割合は43.2%と、そうでない事業者の割合とほとんど拮抗する結果に。

スポットワーカーへの配慮・支援の手厚い事業者ほど、タイミー導入前後の従業員満足度が上昇しやすい傾向

事業者が働き手に対して実施している「作業指示を明確にしている」「こまめな休憩をとっていただくようにしている」などの支援や配慮について、実施している支援・配慮の数が多い場合、その手厚さレベルを「高」とし、少ない場合を「低」と定義。

その場合、支援・配慮の手厚さレベルが「低」の事業者よりも「高」の事業者のほうが、タイミー導入前後で従業員満足度が上昇したと回答した割合が16.4pt高く、有意な上昇傾向が見られた。詳しい分析は今後必要ではあるものの、スポットワーカーへの配慮・支援の手厚さと従業員満足度の向上には一定の関係性があるものと思われる

総括

タイミ―が運営するオウンドメディア タイミーラボで紹介中の記事「『誰もが働きやすい職場』は、「ワーカーさんと一緒につくる。Good率98%を誇る物流センターが、人と環境への投資を惜しまない理由」(※)の中でも、「ワーカーさんの働きやすさ=従業員全体の働きやすさ」であると、事業者の担当者がコメント。実際にこの企業は、タイミーワーカーのその後の長期採用も複数回成功。このように、一日限りの働き手であるスポットワーカーに配慮をすることは、巡り巡ってその後の長期人材の採用や従業員満足度の向上といったメリットを企業にもたらし得ると言える。

タイミ―は、「タイミーさん」というスポットワーカーに対する呼称を発端に、働きやすい環境を実現するためにはどうすればよいのかを、雇用側にとどまらず社会全体で考えることが、雇用関係、ひいては社会全体を成熟させるのかもしれない、としている。

※ https://lab.timee.co.jp/blog/mylife/interview0038

調査概要

【スポットワーカー対象アンケート】
調査名  :スポットワーカーに関するアンケート
調査期間 :2024年7月26日(金)〜7月27日(土)
実施機関 :外部調査機関
調査対象 :スポットワーカー 618名
エリア  :47都道府県
調査方法 :インターネットリサーチ

【事業者対象アンケート】
調査名  :タイミーによる「働き方改革」への影響等に関する調査
調査期間 :2024年9月16日(月)〜10月7日(月)
調査対象 :タイミー導入事業者 518社
エリア  :47都道府県
調査方法 :インターネットリサーチ

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