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AI技術とDIY文化の融合! ローランドとNeutoneが次世代オーディオ・エフェクト『Project LYDIA』を発表

Project LYDIAのプロトタイプ本体、内部基板、組み立て、使用シーン

 ローランド株式会社は11月12日、AIオーディオ技術を開発する株式会社Neutoneとの共同研究による技術プレビュー『Project LYDIA』を発表しました。

『Project LYDIA』の概要

 『Project LYDIA』は、音楽制作におけるDIY文化とAI技術を融合させた次世代のオーディオ・エフェクトを実現するプロジェクトです。ミュージシャンやエンジニアが試行錯誤を繰り返しながら築き上げてきた音楽創造の手法と、最新のAI技術を組み合わせることで、ライブやスタジオでインタラクティブに操作できるエフェクトの実現を目指しています。

 プロジェクト名の「LYDIA」は、DIYとAIの融合を意味するものとして名付けられています。

技術的な特徴

 『Project LYDIA』は、Neutoneの「Morpho」技術によって「ニューラル・サンプリング」を可能にします。

 この技術により、ユーザーが指定した音の特性を学習し、その特性を入力信号に対するエフェクトとしてリアルタイムで正確に反映させ、新たな音楽創造に活用できるようになるということです。

 現在の試作機は、「ラズベリーパイ5」シングルボード・コンピューターを内蔵しています。

 「Morpho」技術によるAIソフトウェアと、ローランドが設計したシンプルで直感的なコントロール・パネルが実装されています。

 オーディオ入出力は、ローランドのUSBオーディオ・インターフェース「Rubix」の接続によって行われています。

 将来的には、オーディオ・インターフェースを本体に統合し、完全なスタンドアロン化を予定しているということです。

ローランドのAI活用への取り組み

 『Project LYDIA』は、クリエイターの創造的パートナーとしてのAI活用を推進するローランドの取り組みを基盤としています。

 2024年には、ローランドとユニバーサル ミュージック グループが共同で「AIによる音楽創造のための原則」を発表し、倫理的かつアーティストを中心としたイノベーションを目指す共通の取り組みを提唱しました。

初公開と今後の展開

 『Project LYDIA』は、英国・ブリストルで開催されるAudio Developer Conference(2025年11月10日~12日)で初公開されます。

 同会では、AIによる音楽ツールの将来的な研究のため、クリエイターからのフィードバックが募集されます。

Roland Future Design Labについて

 ローランドは2024年に、新しい音楽創造体験を実現するための研究開発部「Roland Future Design Lab」を開設しました。

 同部門は、DIYのスピリットを持ちながら音楽創造の未来について深く考察を続けており、『Project LYDIA』はこの部門とNeutoneの協業から生まれたプロジェクトです。

Roland Future Design Lab部長 ポール・マッケイブのコメント

 「ローランドは、音楽創作におけるAIの責任ある開発におけるグローバルな主導的役割を担っています。

 責任ある開発とは、クリエイターにとって『有用・有益・インスピレーションとなる要素』と、『クリエイティブなワークフローに適さない要素』に関する意見を収集し、技術開発に活かしていくことです。

 『Project LYDIA』を技術プレビューとして公開することで、可能性を探求しつつ、コミュニティからの意見を集め、改善と最適化を進めていきます。」

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