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ブラウザで天の川銀河を飛び回れる! 194万個の星を再現した無料ウェブアプリ『時速10万光年』公開

ウェブアプリ「時速10万光年」のトップ画面。右に地球、左にタイトルと旅に出るボタン

株式会社サードパーティートラストは11月4日、制作レーベル「3PT STUDIO」による天の川銀河探索ウェブアプリ『時速10万光年』を同日に公開したと発表しました。インストールや会員登録は不要で、無料で利用できます。

欧州宇宙機関(ESA)のガイア衛星などが観測した約194万個の星を、実際の位置、明るさ、色のまま3D空間に配置しています。スマートフォンやパソコンのブラウザでURLを開くと、その場で出発できます。

隣の恒星まで4秒、銀河の中心まで16分

人類の探査機で最も遠くを飛んでいるボイジャー1号でも、太陽に最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリまでは約7万5千年かかります。光の速さでも4年あまりかかる距離です。

『時速10万光年』では、宇宙船の速度を音速から7段階で上げられます。1秒に1光年進む速度ならプロキシマ・ケンタウリまで約4秒、作品名と同じ時速10万光年なら、銀河中心のブラックホール「いて座A*」まで約16分で到達します。

5つの「おまかせツアー」

初めて使う人向けに「おまかせツアー」が用意されています。太陽系の惑星めぐり、となりの星たち、天の川をめぐるコースなど5つのツアーがあり、船が自動で飛行しながら、到着した場所をナレーションで案内するそうです。

慣れてからは、行き先を選んで自動で向かうことも、自分で舵を切って寄り道することもできます。

描くのではなく計算で映す宇宙

作品内の宇宙は、絵として描いたものではありません。論文や観測データの数値をもとに、宇宙船が動くたびに計算して映し出しています。

星の色は表面温度から算出しています。その温度の物体が放つ光(黒体放射)を求めて色に変換するため、ベテルギウスは赤く、リゲルは青白く表示されます。

明るさは、観測された明るさと星までの距離から求められます。近づけば明るく、遠ざかれば暗くなります。

塵の濃い方角では、2024年に発表された銀河の塵の3次元地図(Edenhofer ほか)にもとづき、星が暗く赤く沈んで見えます。夕日が赤く見える仕組みに似ているそうです。

飛行を続けると夜空の見え方が変わり、地球から離れるにつれてオリオン座や北斗七星も形が崩れていくとのことです。

実際の軌道で動く天体

作品内の天体は、実際の軌道上を動いています。太陽系の惑星は、NASAジェット推進研究所(JPL)の天体暦と照合した、その日の実際の位置に表示されます。

地球のまわりには、公開されている実際の軌道データ(取得日は画面に表示)にもとづき、運用中の人工衛星が周回しています。太陽系の外へ向かう探査機ボイジャー1号も、現在の位置で見つけられます。

銀河の中心では、ブラックホール「いて座A*」のまわりを、S2をはじめとする星々が観測された軌道どおりに回っています。これらの軌道は、2020年のノーベル物理学賞につながった観測で測られたものです。

ブラックホールの質量(太陽の約430万倍)には、2024年の最新観測値(GRAVITY共同研究)が使われています。

観測とモデルを分けて表示

作品で使われているすべての数値には論文やデータの出典があり、作品内の「クレジット」で一覧にされています。観測が届かない銀河の遠い領域は物理モデルで補い、画面上でも「モデル」と表示されます。見栄えのために星を足したり、色を強調したりはしていないとのことです。

開発にはAIによるプログラミング支援が活用されました。一方、星や銀河の見た目は生成AIで描いたものではなく、観測データと物理モデルからの計算によるものだと説明されています。

教育・非営利は申請不要で利用可能

同作は、世界中の研究者が積み上げてきた観測を学びの場に届けたいという考えから、無料かつ広告・会員登録なしで公開されました。

授業や科学館での展示、夏休みの自由研究など、教育・非営利の目的であれば申請なしで利用できます。利用条件の詳細は、作品内の「クレジット」に掲載されています。

報道目的で紹介する場合は、作品内で撮影した画面写真や動画に、出典「時速10万光年/ESA/Gaia/DPAC ほか」を添えて掲載する必要があります。画面写真、紹介映像、ロゴは、プレスキットから一括でダウンロードできます。

なお、星のデータ(ESA Gaia)は非営利の利用に限って公開されているため、営利目的で利用する場合は提供元の許諾が必要になる場合があります。

『時速10万光年』の概要

名称は『時速10万光年』(英題『Fly the Milky Way』)です。公開日は11月4日で、料金は無料です。広告、課金、会員登録はありません。

動作環境はパソコンおよびスマートフォンのウェブブラウザで、Chrome、Edge、Safariの最新版が推奨されています。主なデータにはESAのガイア衛星(Gaia DR3)などが使われ、出典の一覧は作品内の「クレジット」で確認できます。制作は3PT STUDIO(株式会社サードパーティートラスト)です。

本作はESAの公認を受けたものではありません。

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