医療情報検索サービス『ラビットフォックス』実証試験版が無料公開! 症状から疾患・文献を検索



ラビットフォックスをPCで検索した画面。疾患一覧と文献情報が表示

臨床診断研究センター株式会社は10月9日、医療情報検索サービス『ラビットフォックス』の実証試験版を10月6日に無料公開したと発表しました。症状や所見を入力すると、該当する疾患・病態名と関連する文献情報を閲覧できるサービスです。

『ラビットフォックス』の概要

『ラビットフォックス』は、診療ガイドラインや国内の総論文献、症例報告文献などの公知の医学文献をもとに構築したデータベースを利用する、個人向けの情報提供サービスです。ユーザーが症状や所見を入力すると、検索条件に対応するインデックス名(疾患・病態名)が表示されます。

あわせて、それに紐づく根拠情報、疾患の詳細情報、文献一覧も閲覧できます。PC、タブレット、スマートフォンのいずれからも利用できます。

ラビットフォックス実証試験版のスマートフォン画面イメージ

従来のWEB検索やAIとの違い

同社は、従来のインターネット検索では記事や文献が多数ヒットしすぎるため、目的の情報にたどり着くまでに多くの情報を読む必要があると指摘しています。AIについても、事実と異なる内容をもっともらしく語るハルシネーションが課題だとしています。

こうした課題に対し、開発チームは情報源を絞り込む方法を採用しました。症例報告文献、症状・所見の記載がある総論文献、ガイドライン、医学教科書に情報源を限定し、臨床像に関わる情報をデータベース化して疾患・病態名でインデックス化しています。

医師が1文献ずつ調査してデータベース化

データベースは、膨大な文献を医師が1文献ずつ調査して作成しているとのことです。各疾患で出現しうる症状・所見を整理し、それぞれの症状所見に該当する文献情報も紐づけています。

この仕組みにより、症状所見から、その症状を呈した症例情報を疾患ごとに素早く検索できるようになったそうです。

医療言語データベースで表現の違いを吸収

データベースには、大規模な医療言語データベースも実装されています。同じ意味を持つ異なる検索表現に対して、同一の検索結果を提示するための仕組みです。

一般生活者と臨床医では、同じ事象でも使う表現が異なる場合があります。同社は、表現の違いによる提示情報のばらつきを解消することで、医療職ではない人でも使いやすい検索システムを目指すとしています。

社会実装前の総点検として実証試験を実施

同社は、医療情報には「根拠性」「検証性」「追跡性」が欠かせないとしています。根拠性は提示根拠となるエビデンスを明示できること、検証性はその根拠が本当であるかを検証できること、追跡性はデータベースから情報提示の過程を追跡・修正できることを指します。

今回の実証試験版の無料公開は、社会実装前の総点検を目的としたものです。同社は、より多くの人に利用してもらい、さまざまな意見を寄せてほしいとしています。

医療情報検索サービス「ラビットフォックス」チュートリアル

システムの挙動を詳しく案内するチュートリアル動画も公開されています。

実証試験の概要

実証試験の期間は2026年9月1日から2027年2月28日までで、状況により延長・中断される場合があります。収載疾患は小児・産科を除く全領域で、収載疾患数は10月8日時点で812疾患です。

検証期間の前半では、システム稼働の速度・安定性、仕様、懸念事項の抽出にくわえ、システムとデザインに関するヒアリング・意見収集が行われます。後半は、医学的内容に関するヒアリング・意見収集が行われる予定です。

参加条件と費用

参加は個人の意思による形態で、利用規約に同意することが条件です。アクセス集中時のシステム稼働を検証するため、参加人数の制限は設けられていません。実証試験への参加自体に対する謝礼はありません。

参加するには、公式サイトで実証試験参加登録を行い、届いたメールでアカウントを有効化します。この期間のアカウントは「実証試験期間中(無料プラン)」と表示されます。

なお、実証試験期間とは別に、営業稼働開始後の30日間が無料の試用期間として設けられます。本サービスは2027年中に有償化される予定です。

操作案内と個人情報の扱い

操作方法は取扱説明書(操作マニュアル)とチュートリアル動画で案内されています。実証試験期間中、電話による操作説明は行われません。

実証試験に関する個人情報はプライバシーポリシーに従って管理されます。登録したメールアドレスへの広告・プロモーションは行われず、登録情報は退会すると自動で削除されるとのことです。

このほか、実証期間中にシステムに関するアンケートが配信される場合があります。本実証試験はシステム検証が目的で、臨床試験の一環ではありません。

利用にあたっての注意事項

本サービスは、医師の診断や治療、その他の医学的判断を代替するものではありません。特定の個人を対象に疾患の診断や罹患可能性の評価を行うものでもなく、薬機法に基づく医療機器(プログラム医療機器を含む)としても提供されません。

検索結果の疾患・病態名は、検索条件とデータベース上の標準化表現とのテキスト一致により機械的に抽出されます。複数の検索条件を設定した場合は、すべてに合致するものだけが表示されるAND条件で処理されます。

表示順序に医学的な意味はなく、スコアリングや重み付け、罹患可能性の評価も行われません。

データベースは全疾患を収載するものではなく、青年期から成人期の疾患を主な対象としています。国内での報告実績が不十分な疾患は収載対象から除外されており、検索結果に表示されないことが、その疾患の可能性を否定するものではありません。

収載内容は作成時点で収集した文献等に基づくため、医学的知見の進展やガイドラインの改訂により、最新の知見と異なる場合があります。

ユーザーに対しては、検索結果を自己または第三者への診断として利用しないこと、体調不良時には検索結果にかかわらず速やかに医療機関を受診することが求められています。検索結果を理由に受診を控えたり、医師の指示に基づく治療や服薬を変更・中断したりしてはなりません。

医師でないユーザーが、検索結果を利用して第三者に医師法第17条に定める医業に該当する行為を行うことも禁止されています。また、本サービスは入力された検索条件を監視せず、救急要請や医療機関への通報も行いません。




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