
ポケットサイン株式会社は10月22日、株式会社withが運営する恋活・婚活マッチングアプリ『with』の本人確認手段として、ポケットサインのAPIサービス『PocketSign Verify』が採用され、提供を開始したと発表しました。マイナンバーカードの公的個人認証サービス(JPKI)の機能を活用したものです。
『with』の利用者は、マッチングした相手とメッセージのやり取りを始める前に必要な本人確認を、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取る方法でも行えるようになります。
運転免許証などにくわえて選べる新たな本人確認方法
『with』はこれまで、メッセージ開始前の本人確認として、運転免許証やパスポートなど顔写真付きの公的身分証明書を用いる方式を採用してきました。今回の導入により、この方式にくわえてマイナンバーカードによる本人確認も選べるようになります。
マイナンバーカードを使う方法では、本人確認書類を撮影してアップロードする必要がありません。即時に審査が完了するとのことです。
また、偽造が非常に困難なICチップの情報をもとに確認を行うため、券面を偽造・変造した書類によるなりすましを防げるとしています。
導入の背景にある生成AIの進展とロマンス詐欺
発表によると、生成AIをはじめとするデジタル技術の進展で画像の生成・加工が精巧になり、オンライン上で本人であることを確実に確認する重要性が高まっています。SNS型投資・ロマンス詐欺など、悪質なユーザーによる不正利用への対策強化も求められているそうです。
こうした状況を受け、withは本人確認の確実性を高めるとともに選択肢を広げるため、公的個人認証による本人確認を導入しました。
本人確認の流れと利用される情報
公的個人認証による本人確認の流れは以下の通りです。
- 利用者が、マイナンバーカード交付時に設定した署名用電子証明書のパスワード(6〜16文字の英数字)と、カードに記載された生年月日、有効期限、セキュリティコードを入力する
- スマートフォンでマイナンバーカードを読み取る
- ICチップから取得した情報と『with』の登録情報を照合し、即時に本人確認が完了する
本人確認には、ICチップに搭載された氏名・住所・生年月日・性別にくわえ、カードの顔写真が利用されます。マイナンバー(12桁の個人番号)は一切使用されず、入力された署名用電子証明書のパスワードも保存されないとのことです。
さらに署名用電子証明書は、氏名や住所などに変更があった場合に失効する運用となっています。その有効性を確認することで、変更前の古い情報による本人確認の成立を防げるそうです。
公的個人認証サービス(JPKI=Japanese Public Key Infrastructure)は、マイナンバーカードのICチップに搭載された電子証明書を利用し、オンラインで利用者本人の認証などを公的に行う仕組みです。
アプリ内で完結する仕組み
『PocketSign Verify』の導入は、公的個人認証サービスのプラットフォーム事業者であるポケットサインに、サービスプロバイダ事業者であるwithが電子証明書の有効性確認(検証業務)を委託する形となります。ポケットサインはJ-LIS(地方公共団体情報システム機構)への電子証明書の失効確認を含む署名検証業務を受託し、その証跡の保存も担います。
具体的には、withがポケットサインの事業者向けプラットフォーム『PocketSign Platform』に登録し、『with』のアプリに『PocketSign Verify』のSDK(ソフトウェア開発キット)を埋め込む形です。これにより、アプリ内で公的個人認証による本人確認が完結します。
- PocketSign Verify:https://pocketsign.co.jp/privatesector#verify
政府はマッチングアプリへの公的個人認証の導入を後押し
政府は、マッチングアプリにおける本人確認・属性証明の高度化を後押ししています。2024年6月の「国民を詐欺から守るための総合対策」では、マッチングアプリ事業者に対する本人確認の強化が求められました。
同年9月にはデジタル庁と警察庁が連名で、関係団体などに公的個人認証サービスの積極的な活用を要請しています。2025年6月には、デジタル庁と一般社団法人恋愛・結婚マッチングアプリ協会が協定を締結し、マッチングアプリでのマイナンバーカード活用の推進が進められています。
背景には、出会いの場を悪用した詐欺やなりすましの深刻さがあります。警察庁の「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」によると、SNS型ロマンス詐欺の認知件数は2025年に5,645件、被害額は546.4億円でした。前年から大幅に増加した水準で高止まりしているということです。
また、2026年4月16日には出会い系サイト規制法施行規則の一部が改正され、マイナンバーカードを利用した本人確認方式の選択肢が広がりました。
事業者向けAPIサービス『PocketSign Verify』の概要
『PocketSign Verify』は、マイナンバーカードのICチップに搭載された電子証明書を用いた本人確認機能(公的個人認証)を、様々なサービスやアプリに組み込むための事業者向けAPIサービスです。ポケットサインは、ユーザー体験の向上、離脱率の低下、コストの削減につながるとしています。
同サービスは、マイナンバーカードを使わずスマートフォンのみで公的個人認証を利用できる「スマホJPKI」への対応も完了しています。
公的個人認証サービスを他者に提供するには、公的個人認証法に基づき主務大臣の認定を受けて「プラットフォーム事業者」になる必要があります。ポケットサインは2023年3月に、民間事業者としては16社目となる認定を取得しています。
- PocketSign VerifyがiOSの「スマホJPKI」に対応:https://pocketsign.co.jp/news/89
- サービス紹介サイト:https://pocketsign.co.jp/privatesector
- マッチングアプリ『with』:https://with.is/welcome
- Original:https://www.appbank.net/2026/10/22/iphone-news/3140827.php
- Source:AppBank
- Author:Appbank編集部
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