音楽プラットフォーム「TOPLEASE」が予測市場の仕組みを導入! 未発表デモ曲の再生数を予想するリスナー向けアプリを公開



TOPLEASE(トップリース)の赤黒背景にロゴと紹介文を配したビジュアル

株式会社呉楽は9月30日、音楽プラットフォーム「TOPLEASE(トップリース)」で、アーティストの未発表デモ曲がリリース後に何回再生されるかをリスナーが予想する機能を公開したと発表しました。リスナー向けアプリ『TOPLEASE for Listeners』は、App StoreとGoogle Playで無料配信されています。

予想の量に応じてアーティストにポイントが入る仕組み

曲がリリースされると、集まった予想の量に応じてアーティストにポイントが入ります。予想が当たったリスナーにもポイントが付与され、ポイントはPayPayポイントなどに交換できます。

フォロワー数ではなく、曲を聴いた人の予想が収益を左右する仕組みとのことです。

予想にはアプリ内で無料配布されるコインを使います。コインは購入できず、お金を賭ける仕組みではありません。設計にあたっては弁護士の確認を受けているそうです。

開発の背景にある「新しい曲が聴かれない」課題

呉楽は約3年間、アーティストが月額でビートを使える「TOPLEASE」を運営してきました。ビートの利用に応じた分配は、これまでに208名のトラックメーカーへ累計300万円を超えているとのことです。

同社はオンラインDTMスクール「TOPMAKE」なども通じて、300名を超える作曲家・トラックメーカーの相談を受けてきました。その中で「アーティストにはお金がない」という声が繰り返し聞かれたそうです。

発表では、音楽の聴かれ方の変化にも触れています。Luminateの「2025 Year-End Music Report」によると、音楽配信サービスには1日あたり約10万6,000曲の新曲が届いています。一方、配信されている約2億5,300万曲のうち、およそ9割は1年間の再生回数が1,000回以下でした。米国では、発売から18か月以内の新しい曲のオンデマンド再生が前年より1.6%減っています。

また、米音楽誌SPINは2026年7月3日の記事「The Music Business Has a New Music Problem」で、ストリーミング収益のおよそ65%を旧譜が占めていると伝えています。10代・20代前半のリスナーの間でも、1990年代以前の音楽を好む傾向が強まっているそうです。

収益の偏りも指摘されています。Spotifyによると、1曲以上を配信した人は約1,300万人いる一方、2025年に年間1万ドル(約150万円、1ドル=150円換算)以上の収益を生んだアーティストは約8万1,100組でした。

「新しい曲が、聴かれなくなっている」の統計を赤黒の背景に4枠で示した図

海外の予測市場を音楽に応用

着想のきっかけは、海外で広がる予測市場でした。Polymarketをはじめとするサービスでは、参加者がスポーツや選挙の結果を予想し合い、その集まりが指標として注目されています。SPINの同記事によると、Polymarketでは2026年に入ってから音楽に関する予測だけで4億ドルを超える取引が行われているとのことです。

TOPLEASEでは、予想の対象を未発表のデモ曲にしました。リスナーが「この曲はリリース後に何回再生されるか」を予想し、その予想の量がアーティストの収益になります。知名度に関係なく、先に曲を聴いた人が評価する形です。

リスナーにとっては、まだ知られていない新しい曲を聴き込み、伸びるかどうかを自分で判断する機会になります。当たれば、その判断が記録として残ります。

TOPLEASEの予想からポイント付与までを赤い背景に4段階で示す図

アーティスト、リスナー、トラックメーカーの参加方法

アーティスト

未発表のデモ曲とリリース予定日を公開します。TOPLEASEのビートで作った曲に限らず、手元の曲も公開できます。

リリース前はTOPLEASEで、リリース後はストリーミングで、同じ曲から2度収益を得られます。利用は無料で、ほかのアーティストを招待すると公開できる曲が増えていきます。

リスナー

アプリでデモを聴き、リリース後の再生数を3つの選択肢から予想します。参加は無料です。

当たればポイントが入り、「売れる前から知っていた」ことが記録に残ります。

TOPLEASE for Listenersの黒と赤の3つのアプリ画面

トラックメーカー

アーティストの月額プランの売上の90%が、ビートの利用実績に応じて分配されます。デモのページには、トラックを作った人の名前が表示されます。

代表コメント

株式会社呉楽の代表取締役、呉世現さんは次のようにコメントしています。

「作り手の相談に乗るたびに、話は『アーティストにお金がない』に行き着きます。良い曲を作っても、名前が知られていなければまず聴かれない。聴かれなければお金にならない。しかも今は、新しい曲そのものが聴かれにくくなっています。この順番を入れ替えたいと思っています。

予測市場なら、先に曲を聴いた人が評価を決められます。まだ誰も知らない曲に本気で耳を傾けるリスナーと、その耳に届く曲を作るアーティストが、どちらも報われる場所にしていきます。」

※PayPayはPayPay株式会社の登録商標です。




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