イーロン・マスクが「1兆3000億円の仮想通貨を隠し持つ」という〝ウワサ〟の真相



ドージコイン(Dogecoin)は直近の〝強気相場〟で大きく値上がりした仮想通貨。テスラやスペースXの創業者であり、億万長者のイーロン・マスク氏がTwitterを通じて支持を表明したことや「一般人がわずか2カ月で“億り人”になった」といったニュースなどが広まったことで大きな話題となりました。

そして、いま(2022年10月末)「イーロンマスクによるツイッター社の買収」を受けて「ドージコインがツイッターで公式に採用されるサービスになるのでは?」 という思惑から大きく値上がりしています。

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そんなドージコインには、1つ大きな謎があります。それは、発行済みのドージコインの約3割にあたる1兆3000億円近い評価額(ピーク時)の資産を保管するデジタルウォレットの存在です。「このウォレットの持ち主こそイーロン・マスクだ」という噂など、様々な情報が飛び交っていますが、果たして事実は……? この記事ではその謎を検証していきたいと思います。

巨額のドージコインを保管するウォレットの持ち主は?

ドージコインは「どのウォレット(デジタルのお財布)がどれだけのコインを保有しているか、また、どういった取引をしてきたか」という履歴がオープンになる仕様を採用しています。そのため、特定のウォレットアドレスが持つ金額は誰でもかんたんに調べられるのです。

というわけで、ドージコイン保有額が多いウォレットのトップ10を表示した結果が以下の通り。


上の画像の赤枠内を見ると「DH5yaieqoZN36fDVciNyRueRGvGLR3mr7L」というアドレスが1兆3000億円近い莫大な資産を保有していることがわかります。

イーロン・マスク=ドージコインの大量保有者説


「マスク氏がこのウォレットの持ち主」という説を唱える人々の主張聞くと、主な根拠は以下の3つになります。

  1. このウォレットは「28.061971 DOGE」という金額で取引をすることが多い。これはマスク氏の誕生日1971年6月28日と一致する(注:英語での日付の表記は28.June.1971とするのが一般的)
  2. 2021年5月の暴落の後、このウォレットが「4.2069 DOGE」を購入している。これはマスク氏がジョークとして好む「420(大麻を示すスラング)」と「69(性的な隠語)」の組み合わせである。
  3. このウォレットがドージコインを初めて購入した時期が、マスク氏がドージコインの開発者と初めて会ったとされる時期と一致する

たしかに、偶然にしては一致する項目が多いように思えます。

「イーロン・マスク=ドージコインの大量保有者説」への反論

先の説には反論も多く存在します。

まず、一番わかりやすいのは、イーロン本人が「ドージコインは保有者が偏っていることが唯一の問題」と過去にツイートしている点。自分が大量保有者ならそれを問点と言うでしょうか? ただし、このツイートを「自分が持っている分が多すぎて売りづらい」と解釈するなら、「イーロン・マスク=ドージの大量保有者説」を裏付けるものとも考えられます。

また、ドージコインの大量保有ウォレットに関しては、米国の投資アプリ「ロビンフッド」がその正体であるという説もあります。これはロビンフッドがドージコインの扱いを開始した時期とウォレットが作成された時期が一致するためです。

そして、この「ロビンフッド=ドージの大量保有者説」を唱えるツイートにたいして、イーロンが「そうっぽいよね」と返信をしていることがあるのです。けれども、広く信じられている噂をマスク氏が自分から注意をそらすために利用したと考えることもでき……深読みしすぎると訳がわからなくなる状況に。

なお、ロビンフッドの公式アカウントは「セキュリティ上の懸念からどのアドレスが我々のウォレットかは明かさない」ツイートしており、ドージコインの大量保有に関しては否定も肯定しないというスタンス。これではさらに謎が深まるばかりです。

結局、記事作成時点においてはこのウォレットの持ち主の正体に関する決定的な証拠は明らかになっていません。けれども、ひとつ確かなのはこのウォレットの持ち主は「イーロン・マスクに関連する情報に詳しく、誕生日やお気に入りのスラングなどに絡めた数字で莫大な金額の取引を行っている」ということ。マスク氏本人であるかはわかりませんが、彼と同じジョークのセンスを持ち、途方もない金額を容易に動かせる人物(組織?)であることは間違いありません。

なお、ドージコインは国内に「住所」を有し、または、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人向けではとしては『ビットバンク』、それ以外の人向けとしては『バイナンス』などで取引が可能となっています。

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