ビル・ゲイツは「史上最悪の経済危機」をどのように回避するのか?→日本人が学ぶべき点とは?




ビル・ゲイツ」は実業家として知られていますが、投資家としても有名です。ファンドマネジャーのマイケル・ラーソンの協力で、ゲイツは過去20年間で500億ドル(約7兆円)を稼ぐことに成功しています。

そんなゲイツは今、史上最悪の経済危機に備えて、数多くの対策を行っています。経済危機の原因と回避策ついて、海外YouTubeチャンネル「Casgains Academy」が解説しています。




*Category:テクノロジー Technology|*Source:Casgains Academy,billgates,wikipedia

ビル・ゲイツが警告する「史上最悪の経済危機」


ビル・ゲイツとマイケル・ラーソンは、強気相場の時に数十億ドルを稼ぎました。また、2008年の不況の中でもITバブルの崩壊に備えていたため、S&P500を常に上回り、富を新たな高みへと成長させることができたのです。そんなゲイツとラーソンは今、史上最悪の不況のひとつとなるであろう事態に備えています。

ゲイツが懸念する経済危機の原因

現在、経済が厳しい状況にあることは周知の事実です。

米国経済は加速するインフレ、史上最低の消費者心理、ロシア・ウクライナ戦争、低い消費者貯蓄率、記録的な高債務水準に見舞われています。問題を解決するために、米国政府は2021年に何兆ドルも経済に投入しました。

しかし、2022年の政府は正反対な行動を取っています。政府は経済から何兆ドルも引き揚げているのです。ゲイツはこのことをFRBが自ら作り出した人工的な罠だと懸念しています。

現在、経済は両刃の剣に襲われています。その剣の刃は加速するインフレであり、もう一つの刃は膨大な米国の政府債務です。

政府は今、2つの選択肢を持っています。それは、米ドルを破壊するか、債務バブルを崩壊させる危険を冒して経済を破綻させるかです。FRBは前例のない崩壊の危険を冒してでも、景気を減速させるという2番目の選択を取りました。

最近、FRBは金利を75bp引き上げました。これは1994年以来最大の引き上げです。この利上げはインフレ抑制に大きく貢献しますが、かなりのリスクを伴います。


まず、これだけ急激に金利を上げると、企業投資や住宅ローンで借り入れコストが大幅に増えることになります。30年固定金利の住宅ローンの金利は1週間で35年間ぶりの大幅な上昇となりました。この金利上昇が景気を大きく減速させれば、既存の債務バブルが弾けて、景気後退や不況に陥る可能性があります。

また、ロシアがウクライナに侵攻し状況は大きく変わっています。エネルギー価格、食料価格の上昇をこれから何年も見ることになるでしょう。また、この事態がすぐに収束することは難しいように思えます。

ゲイツの見通す「今後の経済」

ゲイツは、今後数年の経済の見通しについてこのように述べています。

政府債務の水準がすでに非常に高く、パンデミックの影響でサプライチェーンにも問題が発生しています。このままでは、インフレ問題の加速、金利の上昇、そして最終的には景気減速につながる可能性があります。

ゲイツが述べていることは、理にかなっています。原油価格の高騰は景気後退と強い関係があります。

このチャートのグレーの部分は、米国経済が不況に陥っていた期間です。ブレント原油が100ドル(約13,000円)を超えると、必ずと言っていいほど不況に見舞われることがおわかりいただけるでしょう。


ブレント原油は現在約120ドル(約16,000円)であり、不況の到来を告げています。なぜ、原油価格が100ドル(約13,000円)を超えると不況になるかというと、原油価格の上昇は消費者に対する税金のようなものだからです。つまり、ガソリン価格の高騰は、消費者の懐から直接的にお金を奪っているということです。


これは、消費者が使うお金が少なくなるだけではなく、消費者心理を大きく低下させます。ミシガン大学が発表した消費者態度指数によると、消費者心理は現在、2008年以降で最も低い水準だそうです。経済は循環しており、負債水準は絶えずピークと底を繰り返すようになっています。


米国株の暴落に備え、ゲイツがとった回避策とは?

ゲイツとラーソンは、2021年が変化のタイミングだと考え、これからは、かなりの景気減速がやってくると予想しました。そのため、ゲイツとラーソンは、米国株の暴落に備え、さまざまな回避策を講じてきました。


その1つに、株の空売りがあります。ロングポジション(買い持ち)と違って、ショートポジション(売り持ち)は一般に公開する必要がありません。実際、ゲイツがどの銘柄を空売りしているのかはわかっていません。

とはいえ、ゲイツがテスラ株に対してショートポジションを持っていることは、イーロン・マスク自身が確認したことなので分かっています。

ゲイツは持続可能な技術の強力なサポーターであると自称していますが、マスクは彼のテスラのショートポジションがこれに反すると指摘います。マスクは「ゲイツは地球温暖化に貢献すると言いながら、いまだにテスラに対して数十億ドルのショートポジションを持っているため、信用できない」とツイートしています。

ゲイツはテスラのショートポジションを10億ドル(約1,300億円)以上下げましたが、まだポジションを決済していないのは明らかです。

また、マスクはその額を5億ドル(約700億円)だったと説明しています。しかし、その後テスラ株が大きく上がったため、今であれば15億円(約2,000億円)から20億円(約2,700億円)で決済できると説明しています。

ゲイツとマスクは慈善事業について話すために会おうとしていましたが、ゲイツがテスラ株をショートポジションで持っていることが原因で会談の実現を妨げたといわれています。

テスラ株は2021年に大幅な値上がりを経験しました。また、「Bored Ape Yacht Club」のようなNFTは数百%上昇しました。しかし最近2ヶ月で80%以上下落しています。イーサリアムのプラットフォームには長期的な可能性がありますが、猿のデジタル画像が何十万ドルも取引される理由はありません。


ゲイツは「Bored Ape Yacht Club」についてこのように述べています。

「Bored Ape Yacht Club」が提供するNFTは実用性に欠けています。しかし、高価な猿のデジタル画像は、世界を大いに沸かせるものなのでしょう。それはとても信じられないことです。

私は農作物を生産する農家とか、製品を作る会社のような資産に慣れています。NFTのような資産は、税金を回避するために利用されているのです。ただ、私にはそれは無縁です。





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