現役の頭痛専門医が独学で開発! 無料の頭痛日誌アプリ「ズツノート」が利用者700名を突破



ズツノートのアプリUIと機能紹介

株式会社Iris Wellnessは6月16日、同社が提供する無料の頭痛日誌アプリ「ズツノート」の利用者数が700名を突破したと発表しました。サービス開始から約5ヶ月、広告を一切出さずに達成した数字です。

「ズツノート」は、頭痛専門医である代表取締役の前川裕貴さんが自ら開発したアプリです。患者が記録した頭痛・服薬・睡眠・気圧などのデータが統計解析され、主治医の診察画面にそのまま共有される仕組みが最大の特長となっています。

医師が自らアプリを開発した背景

頭痛診療には「頭痛ダイアリー(頭痛日誌)」と呼ばれる、患者が日々の症状を記録するツールが欠かせません。国際的なガイドラインでも推奨される、診断・治療の土台となる重要な記録ツールです。

しかし、この頭痛ダイアリーはいまだに紙が主流でした。前川さんは遠方の患者の通院負担を減らすためにオンライン頭痛外来を開設しましたが、オンライン診療では紙のノートを画面越しにしか確認できないという壁にぶつかります。

既存の記録アプリも広告が多く使いづらいと感じた前川さんは、2025年10月に「自分で作ればいい」と決意しました。当時はコードを一行も読めない、完全なプログラミング未経験者だったといいます。

独学1か月で完成した「Myカルテ」から「ズツノート」へ

前川さんは子どもを寝かしつけた後の深夜に作業を重ね、わずか1か月でオンライン頭痛日誌「Myカルテ」を完成させました。自身のオンライン頭痛外来で使い始めると、患者から「紙のノートを持ち歩かなくて済む」「診察がスムーズになった」と好評を得たとのことです。

ズツノートの記録入力画面

その後、技術の向上にともない「Myカルテ」は全く新しいアプリ「ズツノート」へと生まれ変わり、現在は完全移行しています。

「なんとなく」から「数字で診る」頭痛診療を実現

従来の頭痛診療は、患者の記憶に頼る「なんとなく」の把握になりがちでした。「ズツノート」では、患者が記録したデータが統計解析され、主治医の診察画面に直接共有されます。

ズツノートの30日間の統計グラフ

頭痛日数・痛みの強度・持続時間・内服回数などが「数字」として一目で表示されることで、診療精度の向上、診察時間の短縮、患者自身の頭痛理解の促進といった効果を、開発者である前川さん自身が日々の診療で実感しているとのことです。

さらに、予防薬などの内服を開始した前後でのデータの変化も可視化されるため、治療経過の把握にも役立っているといいます。

データ共有は患者が主導する仕組み

「ズツノート」のデータ共有は、完全に患者主導の設計となっています。患者がアプリで日々の頭痛を記録し、「かかりつけ医療機関」を自ら選んで設定すると、その医療機関にだけ記録データが共有されます。

かかりつけを設定しなければ、データは誰にも共有されず、記録は自分だけのものとして管理されます。共有の主導権は常に患者側にあるため、プライバシーに配慮した設計となっています。

セキュリティとプライバシー保護への取り組み

頭痛という機微な医療情報を扱うため、データの保管には国内(AWS東京リージョン)のサーバーを使用し、通信時(TLS)・保管時ともに暗号化しています。

アクセス制御と定期的なセキュリティレビューも実施しており、個人情報保護法に基づく組織的・人的・技術的な安全管理措置を整備しているとのことです。医療情報の共有は利用者本人が「かかりつけ」を設定したときに限られ、いつでも解除できます。

利用できる機能(すべて無料・広告なし)

「ズツノート」で利用できる主な機能は以下の通りです。

ズツノートの気圧予報画面
  • 頭痛記録:痛みの程度・部位・服薬・誘因などをかんたん記録(片頭痛・緊張型・群発・薬剤の使用過多頭痛に対応)
  • 主治医とのリアルタイム共有:連携医療機関では、患者の頭痛日誌が診察画面にそのまま届く
  • 国際標準スコアの自動算出:MIDAS・HIT-6・WPAI・MIBS-4を自動計算
  • 気圧・天候との相関分析:気圧・気温・湿度などの環境データを自動収集
  • 頭痛タイプチェック/服薬・統計の自動解析

提供形態はWebアプリで、iOS・Androidアプリも提供予定となっています。

医療機関向けの無料登録も受付中

「ズツノート」は医療機関の登録をすべて無料で受け付けています。登録することで、患者の「かかりつけ」候補として表示され、選ばれれば頭痛日誌が診察画面に届く仕組みです。紙の回収・転記が不要になり、来院前に経過を把握できるようになるとのことです。

また、「ズツノート連携医療機関」として一覧ページで広報され、地域・診療形態から患者に検索されることで、集患につながるメリットもあるといいます。

登録を希望する医療機関は、医療機関さま向けページから問い合わせできます。

開発者である前川裕貴医師のポートレート




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