年2兆円超を稼ぐマクドナルドの裏の顔。知られざるビジネスモデルとは?





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マクドナルドといえば当然、思いつくのはハンバーガーでしょう。しかし、マクドナルドという企業は、ハンバーガーで稼いでいるわけではありません。もちろん、ポテトやコーラでもありません。

ではマクドナルドはどうやって年間210億ドル(約2.4兆円)の売上をだす巨大企業となり、安定した業績を残しつづけているのでしょうか?



*Category:テクノロジー Technology|*Source:PolyMatter ,Wikipedia

知られざるマクドナルドの正体とその仕組み

不況時には、消費者の行動はかなり予測可能な方法で変化する傾向があります。最も打撃を受けるのは、旅行・観光、レジャー、そして製造業などです。

一方で、実際に利益を得る企業もあります。例えば、ファーストフード産業。景気が後退しても食料は必要ですが、消費者は安価な代替品を選ぶため「バーガーキング」や「Wendy’s」のようなチェーン店が不況時に平均よりも良い業績を上げることはよくあります。


2008年の不況時に、ファストフード業界で最も成功した企業はマクドナルドでした。この年、マクドナルドは55ヵ月連続で既存店売上高を増加させ、景気後退前よりもさらに優れた業績を達成するとともに、600店舗の新規出店を行い、29%という驚異的な自己資本利益率を達成しました。

この成長にはもちろん「消費者が安価なファストフードを求めた」という理由も関係していますが、それだけではありません。マクドナルドが「不況に強い」と言われる大きな理由は、さらに別にあるのです。

知られざるマクドナルドの正体

マクドナルドの実態は「巨大な不動産会社」です。 2019年の貸借対照表を見ると、「390億ドル」という目立つ数字があります。


これは、減価償却費を計上する前の、すべての有形固定資産の現在の価値です。マクドナルドは、総資産ベースで世界第5位の不動産保有会社となっているのです。


マクドナルドはフランチャイズ方式で急速に成長し、世界中にある店舗の85%はこの方式で成り立っています。ここれは他のファストフード店と同じですが、異なるのは、マクドナルドはフランチャイズ収益の大半を、店の売上ではなくではなく店舗と土地の賃料で稼いでいるということです。

マクドナルドが不動産で稼ぐ仕組み


マクドナルドの収益を見ると、2019年には、116億ドルのフランチャイズ料のうち、64%が賃料という形で支払われています。同社が不動産で稼ぐ仕組みはこうです。

まず、マクドナルドは何十年にもわたる不動産のノウハウがあるため、成功する立地の条件を知っています。マクドナルドは、交通量の多い道路に挟まれた交差点を探し、駐車場が多い方の角にスペースを購入することが多くあります。理想的な広さも決まっており、交差点に信号機があることも条件の一つです。


そして、その物件を長期固定金利で購入します。マクドナルドは膨大な既存物件を持っているため、不動産を有利な条件で購入できる信用力も強みです。

次に、マクドナルドの店舗運営を希望する人とフランチャイズ契約を結びます。しかし、ハンバーガーの焼き方から営業時間、仕入れ先まで、ほぼすべての運営方法が規定されているため、オーナーが工夫することは基本ありません。


フランチャイジー(契約したオーナー)は、1店舗で100万〜200万ドルの初期投資を行うことになりますが、これはマクドナルドが購入した特定の場所に店舗を開店するという、珍しく非常に重要な条件を含んでいます。

これにより、半ば自作自演のような形で、マクドナルドは即座に、常に市場価格以上の価格で借りてくれるテナントを手に入れることができるのです。

ちなみに、あるフランチャイズ組合の調査によると、平均的なフランチャイズが店舗の賃料に売上高の6〜10%を回すのに対し、マクドナルドのフランチャイズは8.5〜15%の比率と家賃が高い傾向にあるそうです。またマクドナルドは、契約期間終了後にその店舗を新しいフランチャイジーに渡すか、あるいはその土地を完全に売却することさえできます。

ではなぜフランチャイジーは、このような厳しい条件に同意するのでしょうか?




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