CEOがジョブズ→クックになったAppleで進むネーミング戦略の変化





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昔のApple製品の名前は「i」から始まるモノばかりでした。しかし今は、そうではありません。

Appleのネーミング戦略と、その戦略がどのように変化してきたのかを、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。



*Category:テクノロジー Technology|*Source:Apple Explained ,wikipedia

スティーブ・ジョブズ時代における「Appleのネーミング戦略」の変遷




1976年の創業から考えると、Appleには長い歴史があります。

その間に、Appleは製品デザインを大きく変えてきたのと同時に、製品の名前の付け方も少しづつ変化させています。

2000年代前半からApple製品を使っているユーザーには「iMac」「iBook」「iPod」などの「i」が付く製品に馴染みがあるはずです。


しかし、今のApple製品から使い出したユーザーは「Apple Watch」「Apple TV」「Apple pencil」などの「Apple」が付く製品の方が聞き覚えがあるはずです。


Appleには、まだ「iPhone」や「iPad」などのように「i」が付く製品もありますが、この20年間でAppleのネーミング戦略は変化しているということです。

Appleのネーミング戦略を知るためには、Appleの会社の歴史を知る必要があります。

1976年にスティーブ・ウォズニアックとスティーブ・ジョブズが共同で開発したApple初のコンピュータは「Apple I」と名付けられました。


その1年後に発売された後継機は「Apple II」と名付けられました。


「Apple I」は、当時最も影響力のあるコンピュータの1つであることが証明され、その後10年間、Appleに安定した収益を提供しました。

Appleは1980年には、主にビジネス市場をターゲットにした「Apple III」という後継機を製造しました。しかし、この機種は累計で7万台しか売れず、そのうち2割が不良品という大失敗を喫してしまいます。


このタイミングで、AppleはMacintoshなどの他のプロジェクトに軸足を移しました。

Macintoshのプロジェクトは1979年から始まっていました。そして製品の名前は、責任者であるジェフ・ラスキンが中心となって名付けました。


ラスキンがMacintoshという名前を選んだ理由は、彼が好きなリンゴの種類がマッキントッシュ(McIntosh)だったからです。


リンゴに詳しい人なら、マッキントッシュという果物のスペルには「a」がないことは知っているかもしれません。

なぜラスキンは、Appleの製品であるMacintoshにわざと「a」をつけたのでしょうか。

それは「McIntosh Laboratory」というオーディオメーカーとの商標権紛争を避けるためです。

ただ、残念ながらそのわずかなスペルの違いでは、Appleを商標権侵害から救うことはできませんでした。


ジョブズは、この名前をどうしても残したいと思い、実際にMcIntosh Laboratoryに手紙を書き、「マッキントッシュという名前に愛着があるので、自分たちのコンピュータに使うことを許可してほしい」とお願いしました。

しかし、McIntosh Laboratoryの社長は、ジョブズの要求を拒否しました。そのためAppleは1986年に、10万ドル(約1,200万円)で商標を買い取ったのです。これは現在の価値でいうと、25万ドル(約3,200万円)に相当します。

1984年に発売された革新的なコンピュータが「Apple IV」ではなくMacintoshと呼ばれるようになったのは、この事が要因です。

その後、ほとんどのコンピュータがMacの名称を使い続けることになるため、これはAppleの歴史において非常に重要なポイントでした。


90年代初頭、Appleは初のノートブックコンピュータを「PowerBook」と名付けました。そして、90年代後半にジョブズがAppleに復帰すると「iBook」を導入します。

AppleはノートパソコンからMacという言葉を除外し続けました。


ジョブズがノートパソコンにMacBookではなくiBookという名前をつけたことが不思議に思われます。

しかし、この疑問は当時のApple製品のラインナップを見れば理解できます。

iBookの発売の1年前に、Appleは「iMac」を発表しています。iMacは当時、Appleの歴史上最も成功した製品となり、Appleを倒産の危機から救っています。


iMacが「i」という文字から始まる最初の製品だと考えると、Appleがこの名前の人気に乗じて、後継機にも「i」を付けてiBookと名付けたのも理解できます。

そしてiBookのデザインはiMacと同じような色味、半透明、そして丸まったデザインをしていました。またiMacのようにハンドルも内蔵されていました。


iMacの「i」の意味は、internet(インターネット)の略と思われがちですか、この「i」には「individual(個)」「instruct(教える)」「inform(知らせる)」「inspire(ひらめきを与える)」という意味も込められています。

また、この名前は広告代理店のChiat/Dayのケン・セガールによって考えられたことも注目するべきです。


しかし、当時のジョブズはこの名前を気に入っていませんでした。ジョブズは「MacMan」という名前を提案します。ジョブズは、この名前が魅力的だと感じていました。

ただ、セガールは「MacManだとウォークマンと被る」などという理由から反対しました。セガールはiMacを含む他の名前を提案しますが、それもすべてジョブズに却下されてしまいました。

それ以降、広告代理店にAppleからの連絡はありませんでした。


しかし、ジョブズはコンピューターのプロトタイプを、結局iMacと呼んでいました。そして正式にAppleのパソコンの名前はiMacとなったのです。

このことは、セガールにとって意外なことでした。なぜなら、ジョブズはiMacという名前を何度も却下していたからです。とにかく、その後iMacとiBookは想像以上の成功を収め、会社が黒字に転換したことで、「i」から始まる製品名は非常に貴重な資産になりました。


そのため、2001年に発売された音楽プレーヤーは「iPod」、2007年に発売されたスマートフォンは「iPhone」、2010年に発売されたタブレット端末は「iPad」と、この時期のApple製品の大半には「i」が使われたのです。

この「i」から始まる製品名はAppleとの結びつきが非常に強く、他社が使うとApple製品だと勘違いさせる可能性があると考え、商標登録の申請を行った程です。





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