低品質パズルにゾンビ要素と村ゲがついて札束で殴り合う『パズル&サバイバル』の修羅



どうしてこうなった……。とりあえず村ゲが流行ってるし、定番の任期を持つゾンビにゲーム性の確立したパズドラ系絵合わせパズルを組み合わせたら勝つる! と考えたのかもしれませんが、安易に組み合わせた結果大惨事となっているのが本作『パズル&サバイバル』です。

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絵本のような世界を楽しめるオープンワールドRPG
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低品質パズルにゾンビ要素と村ゲがついて札束で殴り合う『パズル&サバイバル』の修羅

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本作を提供している「37Games」とは中国・広州に本社を置く、れっきとした中国A株上場企業三七互娯科技の海外ゲームブランドで、中国本土でも量産型村ゲを展開していたり、日本でもたまに広告を見る『日替わり内室』などをリリース。

日本では、世界進出の足掛かりに2015年みんな大好きSNKプレイモア社を買収、いろんなことをやろうとしていた記憶が蘇ります。その後、サウジアラビアのガチ石油王にSNK売却してましたが……。

でまあ肝心のゲームなんですが、まあ、なんというか、村ゲです。「これぞテンプレ」って感じの、初代トラビアンみたいなテイストがむしろ懐かしい感じがして、ついただいまって言ってしまいそうなレベルの。

ただ、さすがに中華大手だからか、ゾンビとそれに抗う人類というモチーフで作り込まれたビジュアルはなかなかうまいんですよね。

グラフィックにきちんと凝ることができるなら、なぜもう少しゲームの中身に手を入れなかったのか。

最初日本人が参加できる海外鯖だけが戦場なのかと思ったら、VPN使うと普通に中国人がひしめく修羅のサーバーにも登録できてしまうではないですか。なんてことだ。

うっかり足を踏み入れてみると、血の気の荒い中国人軍団同士の抗争が続いていて、なるほど中国市場ではこのようなシンプルな殺し合い村ゲームが流行しているわけだ、それゆえにテンプレのような村ゲでも頑張って差別化して村ゲームに仕上げているのだと納得がいくわけであります。

しかも、そのパズルゲームの作りが大変に雑で、まんまガンホー製の名作『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』の構造そのままに、定番だからパクってみたけどすいませんパクり切れませんでしたのでこれでお願いしますと言わんばかりの微妙仕様のパズルがストーリーモードに引っ付いています。

何が駄目かって、消したパズルがそのまま上へ一直線に飛んで行ってそこにいるゾンビに当たり、色に応じた出撃ヒーローの強さや相性でダメージが入るという「お前さあ……」というような内容です。

困ったことに、パズルをやっている途中で色を揃えられず「詰む」現象が発生するため、ゾンビのいるところに有効な色のピースがないときはわざと詰ませてパズルをリフレッシュさせるという禁断の大技が発生します。

それも、3手か4手やると普通に詰みかねない仕組みのため、単調すぎてコツがわかると本格的に飽きて萎える展開が待っています。

言われてみればなんで俺たちあんなに頑張ってパズドラやってたんだっけという走馬灯のような太古の記憶を辿りながらキャラ強化のためにストーリーを進めていくわけなんですけれども、各色切り札となるキャラクターは固定で3種類ずつ、合計15人ぐらい育てればそれでもうMAXで構わないという割り切ったデザインになっています。

問題は村ゲ要素のPVPのところで、対人をやるときは相手の布陣が先に全部見えているため、後から攻め込む側が相性の良い部隊をぶつけられるので相対的に有利になります。

それを避けるためにも光(黄色)と闇(紫)の混合編成が何も考える必要なく最強であるという実にアレな仕組みになっていて、中国人の皆さんはだいたい光と闇の編成ばかりを育てている印象です。

私もちょっと頑張って強い軍団に潜り込んで2か月でシーズン制覇しましたが……、辛い。

慣れると何も考えずに善戦できるけど、軍団にフル廃課金兵が何人いるかで持てる拠点の数が決まり、最終戦も鯨VS鯨の争いとなります。

そして、ランカーはほぼ全員光と闇に包まれた中国人の皆さん。脇を固める日本人ら外国人は肩を寄せ固まって周辺資源地の防衛に回るという村ゲ定番のオチとなるわけであります。

そういう最高に中華な感じの村ゲが日本で本格展開で広告も沢山打ってるわけですけれども、中途半端なプレイングをすると先行したプレイヤーの養分になるだけだし、かといってハマってジャブジャブに課金するほどの良作でもなく、非常につらい感じのゲームが『パズル&サバイバル』になっておりました。

とはいえ、よく考えて作ってるなと思うのはゲームの勘所的にカネさえ突っ込めばすべての局面でどうにかなる、というわけではない点です。

重要拠点を落とそうと主力の廃人の皆さんが部隊を出撃させて戦っているあいだに横合いから敵の軍勢が割り込んできてプレイヤーの城を落としに来る、そこを微課金の連中が肉の壁を作って大半が蹴散らされながらもチームワークで死守したり反撃したりするためのルール上の小細工ができるツール類は揃っています。

そして、やっぱりうまくいって勝つとうれしい。

そういう喜びを体感できるところまでプレイできる人のみが、あの大量に流れる『パズル&サバイバル』の広告にのせられてインストールして楽しむことができると言えましょう。

なお、無課金や極度の微課金は本当に何もできません。

ゲームの仕様上、誰かの養分になることも許されないので、いっちょ噛みでやってみるプレイングは本当に無価値ですので、これは合わないなと思ったらすっぱり辞める、友達もいるし腰を据えてとお考えであれば清算ブースト以外のガチャを回しましょう。

当たればきっと、この週末世界でも夢が見られる、はず。

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