Appleとマイクロソフトといえば、MacOSとWindowsでしのぎを削りあうライバル同士です。しかし実はマイクロソフトは、Appleが潰れる寸前に1億5000万ドル(現在のレートで約200億円)もの資金提供をし、倒産の危機から同社を救いました。
なぜマイクロソフトは、最大のライバルを救うようなことを行ったのでしょうか?これについて、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。
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共存することで成り立つライバル関係
1997年、Appleは倒産の危機に瀕していました。スティーブ・ジョブズはCEOに復帰しましたが、今までの株主からは見捨てられ、投資家からは失敗するだろうと考えられていました。Appleは資金の調達先を探す必要があったのです。
これを救ったのが現在のライバルであるマイクロソフトでした。
この頃、マイクロソフトはPCオペレーティングシステムの市場でシェア98%というやや過剰な成功を収めていました。しかしこの圧倒的地位に米国司法省は目をつけていたのです。マイクロソフトがWindowsに自社のInternet Explorerブラウザを搭載し、ブラウザ分野で最大のライバルだったNetscapeをユーザーがダウンロードできないようにしていたことも明らかとなりました。結果、起訴されてしまうのです。
Appleは資金を必要とし、マイクロソフトは競合を必要としていました。利害が一致したのです。
マイクロソフトは1億5000万ドル相当のAppleの無議決権株式を取得しました。これによりAppleは会社を強化し、倒産のリスクを減らすことができます。マイクロソフトにとっては、ライバルを得ることができ反トラスト法違反を免れることができるでしょう。
一方リスクもありました。 アップルがスティーブ・ジョブズのもとで突然大成功を収めるかもしれないということです。しかしマイクロソフトはその点をあまり気にしていませんでした。Appleはハイエンドのコンピュータ市場を攻め、マイクロソフトはコンピュータを大量生産しライセンス料を得ることに重点を置いていたからです。
そこでテクノロジー業界に衝撃を与える契約を結びました。マイクロソフトはAppleに1億5,000万ドルを投資し、AppleはInternet ExplorerをMac OSのデフォルトブラウザにすることを許可したのです。Macユーザーはマイクロソフトを最大のライバルと見なしただけでなく、Internet Explorerを最悪のブラウザの1つと見なしていたため、ジョブズからのこの発表はユーザーからの不満に見舞われました。
しかしパートナーシップは計画通りに進みました。マイクロソフトは司法省の反トラスト法違反の訴えに対して控訴し、Appleは倒産を免れました。さらにAppleは翌年の1998年にiMacをリリースし大成功を収めています。ジョブズとゲイツは、お互いの会社がお互いを必要とし、うまく共存できると考えていました。そして現在でもAppleは、マイクロソフトの最大のライバルとなっています。
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- Source:AppBank
- Author:テクノロジー記事班
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