睡眠不足での運転は、飲酒運転に並のリスクがあるという研究結果が、南オーストラリア大学の睡眠研究センターから発表されています。
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寝不足での運転は事故リスク15倍
オーストラリアでは毎年、交通事故により約1200人が死亡し、4万人以上が重傷を負っています。日本でも2022年には2,610人がなくなるなど、交通事故は世界的な問題の1つです。
そんな交通事故の原因の約20%を占めている原因が「疲労」です。今回の研究では、運転前の睡眠時間が5時間未満だった場合、アルコールの法定基準値を超えていた場合と同じように、自動車事故を起こす可能性があることがわかりました。
オーストラリアでは、血中アルコール濃度が0.05%を超えると、法律上運転に支障があると判断されるため、今回の研究の基準はこのラインです。なお、日本では血中アルコール濃度0.03%が基準です。
研究によると、前24時間の睡眠時間が4~5時間未満では、自動車事故のリスクは約2倍になるとのこと。これは、運転者の血中アルコール濃度が0.05%のときに見られる事故リスクと同じです。
それだけではありません。ドライバーの事故リスクは、前夜の睡眠時間が1時間短くなるごとに大幅に増加します。前夜の睡眠時間が0時間から4時間だった場合、運転手が事故を起こす可能性は最大で15倍高くなる可能性があるという研究結果もあるほどです。
研究者はこれらの根拠に基づき、運転者がハンドルを握る前に、一定の睡眠時間を確保することを義務付けることが必要かもしれないと指摘しています。もし、飲酒運転のリスクの程度に合わせるならば、運転前に最低4~5時間の睡眠を要求することになります。
この研究を取り上げた科学メディア「The Conversation」によれば、オーストラリアのニュージャージー州では、「マギーズ・ロー」という法律で、前24時間の睡眠時間が0時間だった場合、ドライバーは法的に規制を受けるとされています。この法律は、2003年に過労運転で大学生が死亡したことを受けて施行されたものですが、前24時間の睡眠時間が0時間、つまり徹夜明けの運転が危険なのは当然で、かなり寛容な内容です。
日本では、バス・タクシー・トラック事業者の睡眠不足での運転が禁じられていますが、その他では運転前の睡眠時間は法律で定められていません。また、飲酒とは違って定量的に測ったりすることも難しいため、規制するには課題も残ります。ただし研究が示している通り、寝不足での運転は非常に危険です。過去24時間で自分が何時間寝たのかを念頭におき、睡眠が5時間未満であれば、運転は控えたほうがいいでしょう。
- Original:https://www.appbank.net/2023/04/05/science-innovation/2439588.php
- Source:AppBank
- Author:岩佐
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