AppleがM5チップ搭載の新iPad Pro発表、AIパフォーマンスが最大5.6倍向上! 10月22日発売



M5チップ搭載iPad Proで複数のアプリをマルチタスク表示している画面

 Appleは10月16日、次世代チップ『M5』を搭載した新しい『iPad Pro』を発表しました。本日より予約注文を開始し、10月22日(水)より販売を開始します。

 新しいiPad Proは、M4搭載モデルと比較して最大3.5倍、M1搭載モデルと比較して最大5.6倍のAIパフォーマンスを実現しています。極めて薄くて軽いデザインに驚異的なパワーとAI性能を詰め込んだモデルとなっています。

M5チップがもたらす革新的なAI性能

M5チップ搭載iPad ProでDraw Thingsアプリを使用しAI画像生成する画面

 M5チップは、各コアにNeural Acceleratorを備えた次世代の10コアGPUを搭載し、AIワークロードのGPUパフォーマンスが大きく向上しています。16コアNeural Engineにより、デバイス上のAIで最もエネルギー効率の高いパフォーマンスを実現します。

 Draw Thingsなどのアプリでのデバイス上の拡散モデルによる画像生成や、DaVinci Resolveなどのアプリで行うAIビデオのマスキングなど、幅広い作業を高速化します。Foundation Modelフレームワークを使用するアプリや、Image Playgroundでの作成などのApple Intelligenceの機能にも最適です。

グラフィックス性能とCPU性能の大幅向上

M5チップ搭載iPad Proで3Dレンダリングアプリのリアルなグラフィックスを表示する画面

 M5チップは、第3世代のレイトレーシングエンジンを搭載し、よりリアルな光源、反射、陰影を実現します。レイトレーシングを使用する3Dレンダリングが前世代のiPad Proより最大1.5倍高速、M1搭載のiPad Proと比較すると最大6.7倍高速なレンダリング性能を実現します。

 4つの高性能コアと6つの高効率コアを備えた最大10コアのCPUを搭載し、このCPUコアは世界最速です。Adobe Illustratorなどのアプリで複雑なベクターグラフィックスを扱うグラフィックデザイナーや、SketchUpやMorpholio Traceなどのアプリ間で日常的にマルチタスクを行う建築家に最適です。

パフォーマンス比較データ

 M5搭載のiPad Proの性能は以下の通りです。Octane Xでのレイトレーシングを使用した3Dレンダリングが、M1搭載のiPad Proと比較して最大6.7倍高速、M4搭載のiPad Proと比較して最大1.5倍高速です。

 iPadのためのFinal Cut Proのビデオトランスコードのパフォーマンスが、M1搭載のiPad Proと比較して最大6倍高速、M4搭載のiPad Proと比較して最大1.2倍高速です。

 Draw Things for iPadのAI画像生成のパフォーマンスが、M1搭載のiPad Proと比較して最大4倍高速、M4搭載のiPad Proと比較して最大2倍高速です。

 DaVinci Resolve for iPadのAIビデオアップスケーリングのパフォーマンスが、M1搭載のiPad Proと比較して最大3.7倍高速、M4搭載のiPad Proと比較して最大2.3倍高速です。

メモリとストレージの高速化

M5チップ搭載iPad Proで「アークナイツ:エンドフィールド」をプレイする画面

 ユニファイドメモリ帯域幅は150GB/s以上となり、前世代と比較して約30パーセント増加しています。新しいiPad Proでユーザーはより多くのアプリ間でマルチタスクをこなしたり、AIモデルをより高速に処理したり、負荷の高いゲームをプレイしたりすることができます。

 新しいiPad Proはストレージの読み書き速度が最大2倍高速になり、256GBモデルと512GBモデルでは、以前より50パーセント大きい12GBの標準ユニファイドメモリを搭載しています。

 また、iPad Proは高速充電に対応し、Appleの新しい40Wダイナミック電源アダプタ(最大60W対応)のようなワット数の高いオプションのUSB-C電源アダプタを使うと、約30分で最大50パーセントまで充電できます。

C1XモデムとN1ワイヤレスチップを搭載

M5チップ搭載iPad ProでFaceTime通話と資料を同時に表示している画面

 iPad ProのWi-Fi + Cellularモデルは、Appleが設計したモバイル通信モデムであるC1Xを搭載し、M4搭載のiPad Proよりも最大50パーセント高速なモバイルデータ通信パフォーマンスを実現します。モバイルデータ通信を利用しているユーザーの場合、M4搭載のiPad Proよりも消費電力が最大30パーセント少なくなります。

 新しいiPad Proは、新たにAppleが設計したワイヤレスネットワークチップであるN1を搭載し、Wi-Fi 7、Bluetooth 6、Threadを利用可能にします。N1は、5GHzネットワークに接続した時により高いパフォーマンスを発揮し、インターネット共有やAirDropなどの機能の全体的なパフォーマンスと信頼性を向上させます。

薄型デザインとUltra Retina XDRディスプレイ

車内でM5チップ搭載iPad Proを使用している人物

 iPad Proは、驚くほど薄くて軽いデザインで、究極レベルの持ち運びやすさを実現しています。スペースブラックとシルバーで提供され、11インチモデルはわずか5.3mmの薄さ、13インチモデルはさらに薄い衝撃的な5.1mmの薄さです。

 世界で最も先進的なディスプレイであるUltra Retina XDRディスプレイは、画期的なタンデムOLEDテクノロジーを採用し、極限の輝度、驚くほど高精度のコントラスト、ProMotionやTrue Toneなどのテクノロジーを実現します。iPad Proは、SDRとHDRのコンテンツで1,000ニトのフルスクリーン輝度に対応し、HDRでは1,600ニトのピーク輝度に対応します。

 また、高い品質で色を扱うワークフローや、難しい光の条件下で作業するユーザー向けに、iPad Proは映り込みを減らすためのNano-textureディスプレイガラスのオプションを提供します。

外部ディスプレイ対応の強化

M5チップ搭載iPad Proを外部ディスプレイに接続して作業している様子

 新しいiPad Proは、最大120Hzの外部ディスプレイを使用できるようになり、ビデオ編集などのクリエイティブなワークフローやゲームに最適です。また、120Hzの外部ディスプレイを使用しているユーザーのために、iPad Proは新たにAdaptive Syncにも対応します。

 これにより、外部ディスプレイのパフォーマンスにおけるレイテンシーが可能な限り低くなるため、動きがよりなめらかで、乱れを感じることが少なくなります。これはゲームのような低レイテンシーが求められる場合にとくに効果を発揮します。

iPadOS 26の次世代機能

 iPadOS 26は、負荷の高いクリエイティブなタスクやプロフェッショナルなタスクを効率良く処理するために役立つ、新しいデザインとパワフルな機能を導入します。

 美しく新しいデザインは、新しい半透明の素材であるLiquid Glassで作られ、周囲の光を反射したり屈折させたりする一方で、ユーザーの入力に反応し、意識を最も向けているコンテンツへの注目をさらに高めるようにダイナミックに変化します。

 まったく新しいパワフルで直感的なウインドウシステムは、iPadのシンプルさはそのままに、ユーザーがアプリをコントロールしたり、整理したり、切り替えたりするのに役立ちます。また、新しいメニューバーにより、ユーザーはディスプレイの上部から下へのシンプルなスワイプ操作、またはカーソルを上部に移動することで、アプリで利用可能なコマンドにアクセスできます。

 iPadOS 26では、アップデートされたリスト表示や新しいフォルダのカスタマイズオプションの機能を備えて強化されたファイルアプリで、ファイルを管理、アクセス、整理する新しい方法が導入されます。Dockのフォルダで、ユーザーはダウンロードしたファイルや書類などにどこからでも便利にアクセスできます。

 Apple Pencilのマークアップや自動入力などのパワフルな機能を備えたプレビューアプリが、PDFの閲覧や編集のためのアプリとしてiPadに登場します。

 Appleシリコンを活用したiPadOS 26は、バックグラウンドタスク、オーディオ入力のさらに細かいコントロール、ローカル収録で高品質な録音や録画ができる機能により、プロのクリエイターのための新機能を提供します。

 オペレーティングシステム全体にわたって深く統合されたApple Intelligenceは、AIにおけるプライバシーを大幅に前進させながら、有用で関連性のあるインテリジェンスを提供します。iPadOS 26で使える新機能には、電話、FaceTime、メッセージのライブ翻訳や、ショートカットでの新しいインテリジェントアクション、リマインダーで関連するアクションを自動的に特定して分類する機能などがあります。

アクセサリラインナップ

M5チップ搭載iPad ProにApple Pencil Proで描画している手元

 アクセサリによってiPad Proがより万能になり、創造性や生産性を発揮する可能性がさらに広がります。Apple Pencil ProとApple Pencil(USB-C)は、イラストを描いたり、メモを取ったり、注釈をくわえたりするのに最適な2つの素晴らしい選択肢をもたらします。

 薄くて軽いiPad Pro用Magic Keyboardは、フローティングデザイン、ファンクションキー配列、美しいアルミニウム製のパームレストで、最先端の体験を提供します。iPad Proは、マグネットで取りつけられ、複数の表示角度に対応したiPad Pro用Smart Folioにも対応しています。

環境への配慮

 Apple 2030は、素材、電力、輸送という3大排出源による製品の炭素排出量を削減することで、2030年までにApple全体のカーボンフットプリントにおいてカーボンニュートラルにするというAppleの野心的な計画です。

 新しいiPad Proは、筐体に100パーセント再生アルミニウム、すべてのマグネットに100%再生希土類元素、バッテリーに100パーセント再生コバルトを使用するなど、重量ベースで30パーセント再生素材を使用して作られています。サプライチェーン全体で、風力や太陽光などの再生可能電力を55パーセント使用して製造されています。

価格と販売情報

 M5搭載のiPad Proは、本日より予約注文を開始し、10月22日(水)より販売を開始します。M5搭載の新しい11インチと13インチのiPad Proは、シルバーとスペースブラックの仕上げから選ぶことができ、256GB、512GB、1TB、2TBの構成が用意されています。

 11インチiPad Proは、Wi-Fiモデルが168,800円(税込)から、Wi-Fi + Cellularモデルが204,800円(税込)からです。13インチiPad Proは、Wi-Fiモデルが218,800円(税込)から、Wi-Fi + Cellularモデルが254,800円(税込)からです。

 学生・教職員価格は、11インチiPad Proが152,800円(税込)から、13インチiPad Proが199,800円(税込)からです。

 Apple Pencil ProとApple Pencil(USB-C)は、新しいiPad Proに対応しています。Apple Pencil Proは21,800円(税込)、学生・教職員価格は19,800円(税込)です。Apple Pencil(USB-C)は13,800円(税込)、学生・教職員価格は11,800円(税込)です。

 iPad Pro用Magic Keyboardは、ブラックとホワイトの仕上げから選べます。11インチMagic Keyboardは49,800円(税込)、新しい13インチMagic Keyboardは59,800円(税込)です。学生・教職員価格は、11インチMagic Keyboardが45,800円(税込)、13インチMagic Keyboardが55,800円(税込)です。

 M3搭載のiPad Air用Magic Keyboardは新たにブラックでも提供され、11インチおよび13インチのiPad Airに対応しています。11インチMagic Keyboardは46,800円(税込)、13インチMagic Keyboardは49,800円(税込)です。学生・教職員価格は、11インチMagic Keyboardが42,800円(税込)、13インチMagic Keyboardが46,800円(税込)です。

 Appleが設計した40Wダイナミック電源アダプタ(最大60W対応)は6,480円(税込)で購入できます。




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