『囲碁シル』は2025年11月5日(水)にリリース予定の囲碁ゲーム。今回は特別に先行プレイと運営プロデューサー、監修を務めるプロ棋士の方にインタビューする機会をいただいた。本記事ではその模様をお伝えしていこう。
※ゲームは開発中のものです。記事中の内容は、実際のゲームと異なる可能性があります
「なんとなく」から始められる!遊びながら自然に学び続けられる新囲碁ゲーム
2025年11月5日(水)にリリース予定の新作ゲーム『囲碁シル』は、『囲碁であそぼ!』を手がけたUNBLANCEと日本棋院が贈る2作目となる囲碁ゲーム。
「AIと共に遊べる対戦型の囲碁ゲーム」と銘打たれた本作をひと足にプレイさせていただく機会をいただいたので、まずは本作を触ってわかった本作の基本的なシステムや魅力を紹介していこう。
囲碁知識ゼロでも一局を対局できる!「チョイスバトル」
本作のメインコンテンツのひとつである「ステップアップバトル」では、その名の通り本作のAI「シル」のサポート度合いが異なる3種類のバトルを楽しめる。
特に注目したいのが「チョイスバトル」。囲碁に興味はあるけど対局したことはない……というかたでも、ひとまず終局まで自力で打ち切る体験ができるものになっていた。
チョイスバトル
シルが勧める3手のなかから1手を選んでいくだけで対局を進めていけるモード。
次の1手に選べる3種類の手が、薄く表示されるので、そのなかで最もいい手だと思うものを選んでいこう。
まったく囲碁の知識がなくても終局まで打てることと、悩む時間が少なくなるため、より短時間で一局を楽しめることが最大の特徴だろう。
碁盤は7路盤・9路盤・11路盤(※)から選べる。一局にかかった時間は9路盤でも3分ほどだった。基礎的なルールは覚えている程度のレベルの筆者だと、そもそも自分が打ちたい手が3手のなかには出ないこともあった。初心者の棋力を高めるモードとしても役立ってくれそうだ
※7路盤:縦横に7本の線がある碁盤のこと
※9路盤:縦横に9本の線がある碁盤のこと
※11路盤:縦横に11本の線がある碁盤のこと
ペアバトル
対局をシルと手分けするように進めていけるモード。
対局のどこかでシルが15手ほど連続で打ってくれて、シルの介入があるまでの間は自力だけで対局していくことになる。
シルの介入タイミングはランダム。連続で打ってくれるため、自分で打つだけでは体験しづらい展開や盤面に出会えるのが魅力(写真はフレンド対局でのペアバトル)
フルバトル
シルの力を借りずに、自身の力で対局するモード。
新感覚の囲碁!「定石カードバトル」
これまでの囲碁アプリではまったくなかったゲーム性で囲碁を楽しめるのが、「定石カードバトル」だ。
本モードでは、数え切れないほどある囲碁の定石が動物が描かれた定石カードとなって登場。
定石カードを対戦相手と2枚ずつ場に出し合った盤面からAIのシル同士が戦う、全国のプレイヤーとのオートバトル対戦を楽しめるモードとなっている。
19路盤に4枚の定石カードを配置して対局!スタート前にだいたいの勝率がわかるほか、編成した定石カード2枚の下に表示された数値「定石棋力」でもざっくりと強さがわかる
こちらはなんとなくでも楽しめるが、腕が上がるほど楽しみが増えていくモードとなる印象。
定石カードの組み合わせは無数にあるので、ランキングを駆け上がるほど対戦相手の配置した定石にいかにもっているカードで対応するかを毎回考えさせられることになるだろう。
定石カードの収録数は、リリース時でも100枚以上とのこと!カードには定石の配置・手順のほか、名前や一口メモも用意されている
自身の成長とともに強くなっていくAI「シル」
本作のタイトルにもなっている、プレイヤーを手助けしてくれる「シル」は、プレイヤーレベルに応じて強くなっていくシステム。
今回1時間ほどプレイさせていただいたが、ほぼレベル1の状態での定石カードバトルの最終盤面は、素人目でもおそらくプロが打ったらこうはならないだろうというものになった。
とはいえ、最終盤面になるまでの打ち方や定石の活かし方も過程に注目すれば、学びにつながるものもあるだろう
段階的に囲碁を学べる!「レッスン」
超基礎的な内容からチャレンジングなものまで、囲碁のイロハを学べる「レッスン」。
初心者必見なほか、細かくテーマ分けされているので、自分の苦手なところを集中して鍛えていくこともできる。
今回は基本のルールをプレイしたが、最初に詳しい解説が入ったあとに実践的な問題に挑戦できた。解説だけでも十分なわかりやすさだが、実践問題に挑戦することで着実にしっかりと身につけることができるはず
上達が形に!「認定試験」
自分の棋力を試して見える化。そして公式免状という形で残せるコンテンツとして「認定試験」が用意されている。
認定試験では「総合力」「感覚力」…と6つに分野分けされた、プロ棋士監修の問題に挑戦できる。
認定試験は各分野30級から1級まで用意されている(総合力のみ20級から)。ジャンルによって、まったく違った試験に挑める
検定を通過すると、自身の棋力を示すレーダーチャートに反映!
自身がどこが得意で苦手かが一目瞭然になるモードとなっている。
また、総合力で検定をクリアし、免状発行すればなんと公式免状がもらえる。
公式免状は、上達のモチベーションになるのはもちろんのこと、なんと履歴書にも記載できる実績になる。自身の棋力を実物として形に残すことができるのだ。
実際にもらえる免状がこちら。達筆な文字で書かれており、飾って自慢したくなるようなものになっている。なお、20級なら囲碁歴数週間の筆者でも難なくクリアできたので、免状ゲットの最初のハードルは想像以上に低い
認定状は、もちろんデジタルでももらえる。より高い級での認定を目指して思わず棋力を伸ばしたくなる機能が満載だ!
「ギルド」&「フレンド」機能も完備!仲間と囲碁をどんどん楽しめる
『囲碁シル』には、ギルド機能・フレンド機能と囲碁仲間とコミュニケーションを取れるコンテンツも用意されている。
フレンドになったプレイヤーとは対局ができるほか、対局の観戦などもできるようになるそうだ。
開発者&プロ棋士インタビュー!囲碁をもっとやさしく、もっと楽しく
今回、特別に『囲碁シル』を手がける相場寿秀プロデューサー(写真左)と本作の監修をつとめた大橋拓文七段(写真中央)、吉原由香里 六段(写真右)に本作についてのインタビューのご機会をいただけた。
開発に携わった方々の『囲碁シル』に込めた想いやこだわりなどの声をお届けしていこう。
――まずは自己紹介をお願いします。
相場D:『囲碁シル』のディレクターを務めています。弊社は少人数体制なので、プロデューサーやマーケティングも含め、企画から運営までほぼ1人で担当しています。以前は花札ソーシャルゲーム『えとはなっ!』の運営も担当していました。
囲碁歴は企画が動き出してから学び始めたので、まだ1年ほどの初心者ですが、逆に“わからない人の気持ちがわかる”ことが強みだと思っています。
囲碁は同社開発の『囲碁であそぼ!』で始めたという相場D。趣味はゲームで最近はNintendo Swichで遊んでおり、4歳のお子さんの子育てにも勤しんでいるそうだ
大橋七段:日本棋院の棋士で、電気通信大学の特任教授も務めています。囲碁AIには2010年ごろから関わり、黎明期からの技術的な進化を追いかけてきました。今回はその経験を活かし、AIが人に寄り添う設計を監修しています。
冒頭から囲碁AIの変遷や学習方法について熱く語ってくださった大橋七段。囲碁AIはなかなか強くならなかったが、2016年の『囲碁シル』のAI開発にも携わったフランスのRémi Coulom氏が発見した「モンテカルロツリーサーチ」という新手法の登場で、飛躍的に強くなっていったそうだ
吉原六段:日本棋院の棋士で東京大学の客員准教授を務めています。漫画『ヒカルの碁』の監修をきっかけに、まだ囲碁を知らない方たちに囲碁を教えるということが非常に増えて、その方々にどう囲碁の楽しさを感じてもらえるかということにずっと向き合っています。
息子の学習から反復練習の重要性に気づき、囲碁の楽しさへの気づき・習熟度アップにはアプリがマッチしていると考え、『世界でいちばんやさしい囲碁問題集』『囲碁であそぼ!』そして今回の『囲碁シル』の開発にも関わることになりました。
アニメ『ヒカルの碁』の「GOGO囲碁」に出演されていたことでも有名な吉原六段。囲碁は週2回やるだけでずっと上達しやすくなると語り、その反復練習にアプリはピッタリだと話した
── 『囲碁シル』はひと言でどんなアプリですか?
相場D:サポートAIの「シル」と一緒に、今までよりも楽しく手軽に囲碁を楽しめるゲームアプリとして作っています。
囲碁は非常に面白いゲームですが、楽しさにたどり着くまでの道のりが少し長いのが欠点だと考えています。その「最初の壁」をAIが支えて、誰でもすぐに面白さを感じられるようにしたいと思って作ったアプリになります。
――『囲碁シル』を企画した背景や狙いをお聞かせください。
相場D:囲碁は「難しそう」「漫画で知ったけど自分でやるのはハードルが高そう」という印象が先に立って、触れる前に敬遠してしまう人が多いんです。それがすごくもったいないと感じていました。
そのイメージを変えるには、AIとゲームの力を借りるのが最適だと考え、囲碁の楽しさの普及に少しでも役立ちたいという想いから企画に至りました。
── 「囲碁 × AI × ゲーム」というコンセプトは、どのように生まれたのでしょうか?
相場氏:繰り返しになってしまいますが、囲碁って、ゲームとして見ても完成度が非常に高いと思うんです。陣取り合戦としての駆け引き、一発逆転のスリルなどの面白さが細かいルールなしで実現できているんですよね。ゲームが好きの方ほど囲碁で遊んだらハマると思ったんですよ。
なので、「ゲーム好きの方々に囲碁を楽しんでもらうには」というコンセプトで、囲碁にハイブリットカジュアルゲームのシステムを土台にして、インゲームを囲碁にしたイメージで企画して、囲碁の面白さをどう届けるかという課題を「ゲームの仕組み」と「AIのサポート」で越えられないかと考えて生まれました。
── 実際に『囲碁シル』をプレイしてみて、AIのサポートによる囲碁の楽しさの発見がありました。特に「チョイスバトル」のおすすめ3手の部分ですね。
吉原六段:「チョイスバトル」のシステムは私から絶対に入れてほしいとお願いした要素なんですよ。
囲碁が抱える難点として「初心者には終局がわかりづらい」点があると考えているんですね。どこまで打ったら終わりなのか、今どちらが勝っているのかが初心者には見えにくいんです。その“もやっとした感じ”が、囲碁から離れてしまう原因でもあると考えています。
「チョイスバトル」では自分で手を決められなくても、AIが3つの候補を出してくれるので、選ぶだけで一局を楽しめる。これなら「わけがわからない感」がなくなると思いました。
囲碁に興味があれば、ぜひ1度遊んでみてほしいです。
── 特に意識しているターゲット層があればお教えください。
相場D:ターゲット自体はすごく広いんですが絞ると、僕の中では囲碁にちょっとでも興味があったり、聞いたことはあるけど普段遊ぶ候補には入っていない方が『囲碁シル』で狙っている層ではあります。
また、『囲碁であそぼ!』は囲碁を始めるのにおすすめのゲームなんですが、終わった後に遊ぶコンテンツがなくて卒業してしまう方が多いんです。そんな方々にもう一歩踏み込んで囲碁を遊んでもらうための『囲碁シル』という側面もあります。
さらに、ゲーム好きな方にも楽しんでいただければと。先生方は違うかもしれませんが「若い方々」に遊んでもらいたいという点は共通しているんじゃないかと思っています。
大橋七段:友だちとかに『囲碁シル』の話をするとターゲット広すぎない!?とよく突っ込まれるんですが、『囲碁シル』は3本柱であらゆる層に楽しんでもらえると考えています。
1つが「対戦」で、チョイスバトルやペアバトル、碁盤のサイズも変更できてより初心者でも遊びやすいコンテンツが用意されて。ゲームを進めていけば対人戦もアンロックされて、そちらでは中上級者も楽しめると思います。
もう1つが「レッスン」で、『囲碁であそぼ!』でも1,000問近くあったんですが、結局『囲碁シル』でも1,000問近く用意しちゃって。
一同:笑
大橋七段:さらに「認定試験」でも30級から1級までの問題があって、それなりにボリューミーで問題を解いているだけで楽しいんじゃないかなと思います。
最後の1つが「定石カードバトル」で、ゲーム好きに向けたコンテンツで、カードをなんとなく配置して遊んでいるうちに、自分でも1局やってみようかな……となってくれればと思っていますね。
相場D:「定石カードバトル」はすでに囲碁好きで前のめりに楽しんでいる方にも、また違った楽しさがある新コンテンツになると思っています。
数ある定石が整理されているので、「この定石とこの定石を組み合わせたらどうなるんだろう?」という試行錯誤が手軽にできますし、「どうやったら定石だけで有利に対局を進められるか」みたいな面白さは囲碁をすでに遊んでいる方こそ楽しめる要素になっているんじゃないかと思います。
そういった方が周りの誘ったら囲碁をやってくれそうな方の誘うきっかけづくりにもなってくれればと考えています。
大橋七段:「定石カードバトル」はカード集めがゲーム好きな方に。中級者の方には定石の手順を覚えられるように。上級者の方には「定石の配置の向きを変えたら3%配置が向上した」など、細かな試行錯誤ができるようになっています。
──豊富なコンテンツで初心者から中上級者まであらゆる方が満足できる形になってるんですね。
大橋七段:ターゲットが絞れてないとか盛りすぎとかよくいわれるんですが、成功してほしいと思ってますね。
相場D:結局、初心者の方がステップアップしていきますからね。囲碁が上達したら『囲碁シル』でやることがないということになるともったいないので、幅広く習熟度に応じた囲碁の楽しさがあるのは必要なことだと考えています。
──昨今AIが当たり前の時代になっていますが、囲碁をやりたい方とずっと並走してくれるアプリになるイメージですかね。
一同:そうですね。
吉原六段:さらに、自分の対局を振り返って何が悪かったか教えてくれたりもするんですよ。これも『囲碁シル』のウリなんですが、実はまだ秘密にしている機能なんですよ(笑)。
こちらがその「対局分析」機能。対局を振り返ってよかった手と悪かった手を教えてくれるほか、1手1手の最善手も見れて、対局の途中から打ち直すことも可能だ。プレイしてみて、初心者ながら最善手を選べているところなどがあり、素直にうれしく感じられた
── AI「シル」について役割や設計、苦労した点などをお教えください。
相場D:シルは「プレイヤーと一緒に強くなる」というコンセプトをもっているんですが、最初あまりにも弱すぎると見てられないような一局になってしまうんですよ。
成長を実感できるけど、見てられる強さはどこにあるんだろう?と細かく調整をしたところにはかなり時間をかけましたね。
逆に強すぎると、ステップアップバトルではシルがプレイヤーに教えてもらう役割を担っているんですが、その段階のプレイヤーにはどうしてそこに打つのかわからないようないい手を打ってしまったりする点も、おすすめの手を3手にするなどして調整を重ねたところになりますね。
── あまりにも弱いAIでも、ただただ強い手を打つAIでも学習にはつながらないのでその塩梅に苦労されたということですね。3名のAI「シル」のデザインコンセプトについてもお教えください。
相場D:まず女の子の「蝶羽 舞子(あげは まいこ)」ですが、やさしい囲碁部の先輩みたいなコンセプトで作っていて、男性キャラクターの「磨能 幽玄(まの ゆうげん)」は落ち着いた雰囲気の囲碁部の顧問のようなイメージで。
最後のタヌキのキャラクター「つづみん」は、かわいい愛玩動物的な枠なんですが、内部的にはちょっと生意気な弟みたいなコンセプトで作りました。
こちらがシル3名のイラスト。イメージカラーも赤青緑と分かれている
── ペアバトルについてお教えください。
相場D:ペアバトルはAIのサポートしてくれる手がランダムになっているので、毎回新鮮な気持ちで対局できるのが魅力のコンテンツになります。
昨今人気のゲームや麻雀が人気な理由のひとつにランダム性があると考える一方、囲碁は完全に実力勝負なゲーム性で、そのゲーム性をマイルドに中和したいという狙いもありますね。
── 同じプレイヤーレベルでペアバトルしても2戦3戦したら違う展開になるんですね。
相場D:そうですね。どのタイミングでシルが打つかによって全く違った展開になります。
シルは自分では打たない、ちょっと冒険した手を打ってくれたりするんですよ。自分が全部打ったら和やかに対局が終わるのに、シルがここまで攻めたからこの対局は熾烈な争いをしなきゃいけないな…みたいな。
そういったランダム性、新鮮さがペアバトルを打ってて楽しいと思うポイントですね。
── ちなみに、ペアバトルのような遊び方はこれまでも囲碁界にあったんでしょうか?
大橋七段:ペア碁というペアを組んで交互に打つという形式はありますが、まとめて打つのは囲碁界初になると思いますね。
──また、プレイしてみて定石カードのネーミングが印象的でした。大橋先生が担当してらっしゃるとお聞きしたんですが。
大橋七段:そうなんです。もともと名前がついていない定石も多いので、名づけは本当に大変でした。
将棋だと「アナグマ」「ゴキゲン中飛車」みたいにわかりやすくてキャッチーな名前が多いんですが、囲碁は「二間高カカリ」など専門的な表現ばかり。なので、囲碁でももっとイメージが湧くような名前を意識しました。
── 名付けたなかで特に印象に残っていたり会心の出来だと思っているものがあればお教えください。
大橋七段:系統をいくつかに分けていて、食べ物の名前を入れたのがいくつかあるんですよね。例えば、一番ポピュラーな定石として4の4にあるマークを星というんですが「星のショートケーキ」という某珈琲店に怒られそうなネーミングですね(笑)。
実は、囲碁界のYouTubeショートをみていて、食べ物の名前を使っている動画が伸びているということを発見して、取り入れてみました。
一方で「秀策のコスミ」のように、歴史的に有名な棋士や名局をモチーフにしたカードもありますね。
また、人類が打った定石には「人類の~」、AIが打った定石には「AIの~」などと使い分けていたりもします。
定石カードの動物のデザインもかわいいですよね。
── 定石カードのデザインと定石との紐づけはどんな形に決められているんですか?
相場D:分類的に近い動物が定石としても近いものになるようにしていますね。
大橋先生からいただいた定石をもとに、この定石とこの定石は似ているからこの生き物!といった感じに紐づけています。
大橋七段:動物のイメージや関連性で定石も少し覚えやすくなっているんじゃないかと思いますね。また、レアカードには鳳凰とか白虎とか空想上の動物が描かれていますね。
相場D:なかなか見ない動物はレアリティが高くなるようにしていますね。スカイフィッシュがいたり、ダイオウグソクムシがいたり、ツチノコがいたりもします(笑)。
── 公式の免状がもらえるという点も『囲碁シル』の魅力だと思いました。本名でもらえるんですよね?
相場D:そうですね。また、リリース時は日本のみで展開予定ですが、海外にも展開予定でして、海外の方も『囲碁シル』で免状を発行できるようになる予定です。
── 今後のアップデートや展開を教えてください。
相場D:はっきりとした目途が立っているわけではなく、いつかやりたいくらいの構想段階でしかないのですが、期間限定イベントとしてある程度対局が進んでいるところからの対局を行いたいと思っています。実は常設コンテンツとしていれたかったんですが、泣く泣く見送ったコンテンツになります。
また、リリース時から海外でもダウンロード可能になりますし、英語対応はしているのですが、日本でのリリースが落ち着いたら海外での本格展開も予定しています。
さらに、こちらもまだ決まっていない希望的な観測にはなるんですが、『囲碁シル』を冠したリアル大会をできたらと考えていますね。
シルたちのメディアミックスやVTuber化とかもできたらなぁとか考えてはいます。
── シルが追加される予定はありますか?
相場D:今のところはベースのシルの追加は予定していませんが、コラボとかはできればと考えています。
ただ、こちらも目処がついているわけではないんですが、シルの育ち方として、そのプレイヤーの棋譜に合わせて成長してほしいような要望を結構いただいてて、実現できたら面白いなと考えています。
囲碁のひとつの魅力として、打ち方でその人の性格がわかるみたいなものがあって。それをシルにも反映できたらなぁと思っています。
── 最後に、『囲碁シル』を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
相場D:まずは、リリースをお待ちいただいている皆さまにお詫び申し上げます。延期という形になってしまい、本当に申し訳ありませんでした。
ただ、その時間を使ってしっかりブラッシュアップでき「胸を張って届けられるものになった」と言えるレベルに仕上がっています。
現時点で『囲碁シル』を楽しみにしてくださっている方の多くは、すでに囲碁が好きな方だと思います。
ですが、これから届けたい層は、「囲碁は知らないけれど、ゲームは好き」という人たちです。
その人たちに囲碁の面白さを届けるために作ったのが、このアプリです。
だからこそ、まずは囲碁に詳しい皆さんに遊んでいただき、「これなら囲碁を勧められる」と思ってもらえる存在になりたいと思っています。
周りの人に囲碁を広めたいと思っている方へ、ぜひ『囲碁シル』を“紹介できる入口”として使っていただけたらうれしいです。
囲碁は、間違いなくめちゃくちゃ面白いゲームです。
ただ、その面白さにたどり着くまでに少し距離がある。その距離を埋めるところを、僕たちが全力でサポートします。
「ハマった先に、とんでもなく面白い世界がある」――それはもう確信しています。
だからこそ、まずは一度『囲碁シル』を触ってみてください。そして、楽しさを感じたら、ぜひ誰かに勧めてみてください。
その小さな連鎖が、囲碁そのものを広げていくと信じています。このアプリが、あなたの“最初の一手”になれたら本望です。
大橋七段:囲碁というゲームは、紀元前の中国に始まって少なくとも三千年以上、ほとんど形を変えずに続いてきたと言われています。
それだけ完成度が高く、“素材の味だけで勝負してきた料理”のようなものなんです。たとえるなら「調味料を一切使わず、素材の良さそのままで千年やってきた料理」。
でも『囲碁シル』はそこに初めて“味付け”をした存在だと思っています。
スパイスを加えたり、カット方法を変えたり、焼き方を工夫したり――
つまり、“囲碁を料理した”初めての作品なんです。
囲碁そのものが持つおいしさは変わっていません。噛めば噛むほど味が出る「スルメ」のような深さもそのままです。
ただ、“一口目から美味しい”状態に調理されている。
「生のままだと食べられなかった人でも、焼いたら食べられる」というような、そんな“入口としての優しさ”がこのアプリにはあると感じています。
だからこそ、囲碁が初めての人でも、まずは一歩踏み出してみてほしい。そしていつか、“素材の味”そのものにもたどり着いてもらえたらうれしいですね。
吉原六段:囲碁には「正解がひとつではない」という面白さがあります。
そこが囲碁の魅力なのですが、同時に“初心者には難しく感じる理由”にもなっていました。「間違えたらどうしよう」と思ってしまうと、最初の一手が打てなくなるんです。
『囲碁シル』には、そのハードルを取り除いてくれるAIがいます。横で寄り添ってくれるように、次の手を提案してくれたり、「それでも大丈夫ですよ」と背中を押してくれたりする。
“間違えてもいい”という安心感があるからこそ、囲碁本来の楽しさに辿り着けます。
私はこのアプリが、女性や子ども、そして「囲碁を難しそうだと思っていた人たち」に届いてほしいと願っています。囲碁は本来、とても自由でクリエイティブな遊びなんです。“考えることそのものを楽しむゲーム”なんだ、と感じてもらえたらうれしいです。
勉強としてではなく、遊びとして。競技としてだけでなく、日常の中の知的な楽しみとして。『囲碁シル』が、そんな新しい囲碁との出会い方を生む入口になればと思っています。
── ありがとうございました!
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タイトル概要
- タイトル: 囲碁シル
- ジャンル: ゲーム/ボードゲーム
- 配信ストア:App Store/Google Play
- 対応言語:日本語・英語
- 配信日:2025年11⽉05⽇(水)配信開始
- 価格:基本無料(アイテム課金制)
(C) 日本棋院
(C) UNBALANCE Corporation
(C) Rémi Coulom SAS
- Original:https://games.app-liv.jp/archives/577789
- Source:Appliv Games
- Author:Appliv Games


























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