Apple、大幅進化の「Siri AI」を発表! 年内にベータ版提供予定



Appleデバイス群のビジュアル

Appleは6月8日、Apple Intelligenceを活用したSiriの新バージョン「Siri AI」を発表しました。パーソナルコンテキストの理解、幅広い世界知識の活用、オンスクリーン認識を備えた同機能は、デベロッパ向けテスト用として同日より提供が開始され、年内にベータ版としてユーザーへの提供が予定されています。

Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるクレイグ・フェデリギさんは「有能さと会話能力が劇的に向上したアシスタントであるSiri AIを発表できることを大変嬉しく思います」とコメントしています。

Mac、iPad、iPhoneでのSiri AIの表示例

まったく新しい、深く組み込まれたSiri

Siri AIは、Apple Intelligenceを基盤として完全に生まれ変わったバージョンのSiriです。パーソナルコンテキストの理解を活用し、メッセージ、Eメール、写真などからユーザーがその時に必要なものを見つけることを支援します。

例えば、友人がメッセージで教えてくれたおすすめのレストランを探したり、過去のEメールからホテルの予約番号を見つけたり、家族や友人との最近の旅行の写真を表示したりといった操作が可能です。また、デベロッパがSpotlightと統合すれば、パーソナルコンテキストの理解を他社製アプリへ拡張できます。

システム全体で使えるアプリ内アクションの充実により、ユーザーはSiri AIを使って一からEメールを作成したり、複数の写真を編集して共有するなど、アプリをまたいだタスクの実行が可能になります。

さらに、幅広い世界知識を活用してウェブから最新情報を取得することで、次の日食がいつどこで見られるかや、特定のミュージシャンがいつ地元に来演するかなど、ほぼあらゆるトピックに対して役立つ回答を生成できます。Siriのほぼすべての回答をリッチな会話へと拡張し、補足の質問をすることも可能です。

あらゆるデバイスからSiri AIを呼び出せる

iPhoneのユーザーは「Hey Siri」と呼びかけるほか、サイドボタンでSiriを呼び出せます。Dynamic Islandから下にスワイプして会話を開始し、詳しい回答を得ることもできます。

iPadとMacでは、Siri AIがSpotlightに組み込まれており、ほぼすべての質問に対する回答を検索できます。システム全体のコンテキストメニューにも統合されているため、画面上の画像やファイル、テキストを「control」キーを押しながらクリックして質問することも可能です。

iPhoneでのSiri呼び出し例

Apple Vision Proでは、空間コンピューティングを活用した3Dビジュアライゼーションが利用でき、ユーザーは画面を見つめて話し始めるだけでSiriを呼び出せます。

iPhone、Apple Watch、CarPlay、AirPodsを使いながら外出する際にも、製品全体でSiri AIを利用できます。

Apple Watchのユーザーは手首から直接Siriとの会話を始められるほか、新しいスマートスタックの提案を通じて直近の会話を続けることも可能です。

パワフルな新アーキテクチャによるプライバシー保護

Siri AIは、パワフルなAIを中核として根本から再設計されました。プライベートクラウドコンピューティングを使用してデバイス上およびサーバ上で機能する次世代のApple Foundation Modelを含め、Apple Intelligenceのための斬新なアーキテクチャを最大限に活用しています。

Siri AIのアーキテクチャ図

プライベートクラウドコンピューティングがユーザーのリクエストを処理している際、ユーザーの個人データはAppleにも他の誰にも保存またはアクセスされることはないとのことです。外部の専門家がいつでもこのプライバシーに関する約束が守られているかを継続的に検証できる仕組みも備えています。

さらに、Siri AIはシステムオーケストレーターを使い、SpotlightインデックスやApp Toolboxなどのコアテクノロジーを活用することで、ユーザーが常に自分のデータを管理できるようになっています。

新たなオンデバイスモデルによる音声・入力の進化

Appleの最先端オンデバイスモデルに対応する製品では、Siri AIはさらに表現力豊かな音声を提供し、システム全体の音声入力の精度が大幅に向上しています。ユーザーはSiriの音声の表現力とペースを自分好みにカスタマイズできます。

音声入力機能は、ユーザーが話している内容をより的確に洗練されたテキストとして捉えられるようになり、大文字(英語の場合)、句読点、書式を自動的に処理します。発話の理解力が向上したことで、言葉が明確かつ正確に意図した通りに表示されることが期待できます。

なお、表現力豊かな音声や先進的な音声入力などの機能は、iPhone Air、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Max、最小で12GBのユニファイドメモリを搭載したiPad(M4)以降、最小で12GBのユニファイドメモリを搭載したMac(M3)以降で利用できます。

Apple Vision Pro(M5)でも利用可能です。

会話履歴を管理できる専用Siriアプリ

過去の会話履歴を確認したり、新しい会話を始めたりしたい場合は、まったく新しい専用のSiriアプリを利用できます。SiriアプリはiCloudを使って、プライバシーを保護しながら会話の履歴をユーザーのデバイス間で同期します。

会話履歴を管理できる専用Siriアプリの画面

MacでSiriと会話を始めても、iPhone、iPad、Apple Watch、またはApple Vision Proでその会話を続けることが可能で、リッチな会話を一か所にまとめて管理できます。

メッセージアプリでのSiriの活用例

iPad・Mac・Apple Vision Proでビジュアルインテリジェンスが利用可能に

Siri AIには画像を理解するパワフルなマルチモーダル機能が備わり、ユーザーはビジュアルコンテンツに関する質問をSiriに対してできるようになります。

iPhoneでのビジュアルインテリジェンス機能の表示例

iPhoneでは、カメラアプリにSiriのマルチモーダル機能が組み込まれた新しいSiriモードが追加されます。シャッターボタンをタップしてSiriに自分の見ているものを見せるだけで役立つ回答が得られるようになります。Apple Cashを使って友人と会計を割り勘にしたり、料理の栄養に関する情報を取得したりといった機能も含まれています。

iPadでのビジュアルインテリジェンス機能の表示例
iPhoneでのビジュアルインテリジェンス機能の表示例

今回初めて、iPadとMacでもSiriによるビジュアルインテリジェンスが利用可能になります。iPadではビジュアルインテリジェンスがスクリーンショット体験に直接組み込まれ、Macでは専用のキーボードショートカットを使ってアクセスできます。

iPadでのビジュアルインテリジェンス機能の検索例

Apple Vision Proにもビジュアルインテリジェンスが拡張され、アプリウインドウ内のコンテンツから周囲にある物体まで、見つめるだけでSiriに質問できるようになります。

ほぼあらゆる場面で使えるスマートな作文ツール

Siri AIには、これまで以上にパワフルな作文ツールが統合されています。ユーザーが必要なことを説明するだけで、Siriが一から下書きを作成します。内容を修正したい場合も、変更内容を説明するだけでSiriがすばやく更新してくれます。

メールやメッセージで作文をする際には、通常使用している句読点やトーンなど、受信者ごとのコミュニケーションスタイルを反映した文章を生成できます。例えば、普段マネージャーに短い箇条書きの文章を送信している場合、SiriでEメールの下書きを作成するとそれと同じスタイルで生成されるということです。

iPadでの作文ツール利用画面

また、Siriはユーザーが書いた文章を改善するためのヒントや提案も提供します。多くの他社製アプリを含むシステム全体で、入力時の自動校正にも対応しています。

日々使うアプリへのApple Intelligence新機能

写真アプリの新たな編集機能、Safariの新しいブラウジングツール、Image Playgroundでの新たな表現方法など、次世代のApple Intelligenceも同時に発表されており、日々使うアプリへのエキサイティングな新機能が提供されます。

提供スケジュールと対応デバイス

Siri AIの機能は6月8日よりApple Developer Programを通じて、iOS 27、iPadOS 27、macOS 27、visionOS 27にわたってデベロッパによるテスト用に提供されています。watchOS 27ベータ版でのデベロッパ向けテスト提供も予定されています。

ユーザー向けのベータ版は年内に、対応するデバイスを英語に設定しているユーザーへ提供される予定で、さらに多くの言語への対応も順次拡大される予定です。

Apple IntelligenceとSiri AIの対応デバイスは、iPhone 16以降のモデル、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、iPad mini(A17 Pro)、M1以降を搭載したiPadモデル、MacBook Neo(A18 Pro)、M1以降を搭載したMacモデル、Apple Vision Pro、およびApple Intelligenceを有効にした近くにあるiPhoneとペアリングしたApple Watch Series 9以降、Apple Watch Ultra 2以降、Apple Watch SE 3となっています。

EUについては、Mac、Apple Watch、Apple Vision Proのユーザーは対応する言語に設定されている場合にSiri AIへアクセスできます。ただし初期の提供状況では、EU内のiOSとiPadOSでは利用できないとのことです。

中国では規制要件への対応に取り組んでいる間、Siri AIおよびその他のApple Intelligenceの新機能は利用できないとされています。

Apple Intelligenceの対応言語や詳細については、apple.com/jp/apple-intelligenceで案内されています。




Be the first to comment

Leave a comment

Your email address will not be published.




CAPTCHA