京王バス、路線バス全エリアで完全キャッシュレス実証運行へ 2027年1月16日から



京王バス 完全キャッシュレスバス実証運行を告知する青い横長バナー

京王電鉄バス株式会社と京王バス株式会社は10月28日、路線バスの完全キャッシュレス化に向けた実証運行を、2027年1月16日から全エリアへ拡大すると発表しました。対象外となるのは一部のコミュニティバスです。

2027年11月には、運賃収受における現金の取り扱い終了を目指すとしています。

実証運行は全営業所の路線へ拡大

現在の「完全キャッシュレスバス実証運行」は、2026年9月16日から中野営業所、永福町営業所、調布営業所、桜ヶ丘営業所が管轄する路線で行われています。この対象を、2027年1月16日から路線バスの全エリアに広げます。

実証運行拡大の経緯を2025年1月から2027年1月まで示す表

両社は2025年10月28日に、2027年度中の現金取り扱い終了を目指す方針を発表していました。その後、クレジットカードのタッチ決済「クレカ乗車」の導入や、実証運行による運用の検証、告知・啓発を進めてきたということです。

同社は、これらの取り組みにより現金の利用が減少し、利用者の理解や協力が進んでいるとしています。こうした状況を踏まえ、2027年11月からの現金取り扱い終了を目指して実証運行エリアを拡大します。

年度別の現金と現金以外の支払い手段の利用割合を示す表
2024〜2026年度の割合が右下がりに減少する水色の棒グラフと青い矢印

利用できる運賃の支払い方法

実証運行の対象エリアでは、現金は取り扱われません。利用できる支払い方法は次のとおりです。

  • 交通系ICカード(PASMO、Suicaなど)
  • クレジットカードなどによるタッチ決済
  • シルバーパス
  • 定期券
  • 一日乗車券、企画乗車券、デジタルチケットなど

クレジットカードなどによるタッチ決済は、現在は中野、永福町、調布、桜ヶ丘の各営業所が管轄する路線で利用できます。2026年12月に全営業所へ拡大される予定です。

利用できる決済ブランドは、Visa、Mastercard®、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯です。

車内チャージは当面継続

バス車内でのチャージは、当面の間は継続されます。取り扱いの終了時期は、別途案内されるとのことです。

同社は、鉄道駅やコンビニエンスストアなどで乗車前にチャージしておくことや、車内でのチャージが不要なモバイルデバイスの利用を呼びかけています。また、鉄道の改札機でタッチするだけで自動的にチャージされる「オートチャージサービス」も紹介されています。

京王バスのバス乗車前のチャージ確認を呼びかける横長バナー

完全キャッシュレスバスの目的

同社は、完全キャッシュレスバスについて、単なる支払い方法の変更ではなく、バス移動をより快適にするための取り組みだと説明しています。

キャッシュレス決済によって乗降がスムーズになれば、乗降時間の短縮や定時運行の維持につながるとのことです。小銭を用意する手間や、交通系ICカードの残高不足、チャージの手間といった支払い時の負担も軽減できるとしています。履歴を駅の券売機やスマートフォンなどで確認できる点も挙げられています。

運賃機に関わる業務を減らすことで、運転士の負担軽減や経営の効率化にもつながるとのことです。同社は、限られた人手の中でバス路線を維持するための取り組みとして位置づけています。

路線バスの完全キャッシュレス化を目指す京王電鉄バスグループの解説図

これまでの主な取り組みと今後の予定

これまでの経緯と今後の予定は次のとおりです。

  • 2025年1月:国土交通省「令和6年度完全キャッシュレスバス実証運行」に参画。味の素スタジアム~調布駅北口の系統で実施され、現在も継続中
  • 2025年3月:「クレカ乗車」を調布営業所の車両で初めて導入
  • 2025年10月:ニュースリリース「路線バスの完全キャッシュレス化をすすめます」を発出し、路線バスのキャッシュレス化に関する特設サイトを開設。路線バス運賃機の現金投入口には開閉式の蓋を設置
  • 2026年1月:国土交通省「令和7年度完全キャッシュレスバス実証運行」に参画。調布駅北口~深大寺、つつじヶ丘駅北口~深大寺、千歳烏山駅~千歳船橋駅の生活路線3線で実施され、現在も継続中
  • 2026年3月:「クレカ乗車」を中野・永福町・桜ヶ丘各営業所の車両へ拡大
  • 2026年9月:実証運行エリアを中野・永福町・調布・桜ヶ丘各営業所に拡大
  • 2026年12月(予定):「クレカ乗車」を路線バス全エリアに拡大
  • 2027年1月(予定):実証運行エリアを路線バス全エリアに拡大
  • 2027年11月(予定):運賃収受における現金の取り扱いを終了
路線バス運賃機の現金投入口に設置された開閉式の蓋(黄色い円で強調)

「クレカ乗車」は、一部のコミュニティバスでは利用できません。

国土交通省の協議会に参画

京王電鉄バスグループは、国土交通省が主催する「完全キャッシュレスバス推進協議会」に参画しています。国土交通省は、完全キャッシュレスバスの効果や課題を検証するため、事業者の申請に基づく実証運行を行っています。

実証運行は2024年11月以降、全国各地で大きなトラブルなく行われているとのことです。現金利用率の低下やドライバーの負担減少といった効果が出ているとしています。




Be the first to comment

Leave a comment

Your email address will not be published.




CAPTCHA