
ゲヒルン株式会社は11月2日、気象情報や地震・津波情報を伝える「特務機関NERV<ネルフ>防災ライブ(総合)」の24時間配信を、YouTubeで同日より開始したと発表しました。
配信はこれまでSNSや「特務機関NERV防災」アプリで伝えてきた防災気象情報を、YouTubeのライブ配信という形式で届けるものです。視聴料金は無料です。
同社は本配信を研究・実験的な取り組みと位置づけています。どのような表現や情報伝達が可能か、どう役立てられるかを、配信を続けながら探るとのことです。
- 特務機関NERV防災ライブ(総合):https://www.youtube.com/@UN_NERV/live
配信される情報と表示の仕組み
映像は、ゲヒルンが独自に開発したシステムで自動生成されます。全国の防災気象情報が24時間365日、配信されます。
平常時は、全国の気象警報・注意報、雨雲レーダー(高解像度降水ナウキャスト)、天気分布予報、実況天気図、台風情報がループで表示されます。気象解説情報などはテロップで流れます。

緊急地震速報や地震情報が発表されると、表示が割り込みで切り替わり、音声でも知らせます。津波警報などが発表された場合は、津波情報に表示を固定します。その間に緊急地震速報や地震情報が出た場合は臨時で割り込んで表示し、その後、津波情報の表示に戻ります。

優先度に基づく表示の自動切り替え
高解像度降水ナウキャストや気象警報・注意報などを順に表示しながら、同社が独自に判定した優先度に基づいて表示を自動で切り替えます。津波警報以上が発表されている間は、津波情報に表示が固定されます。

作画エンジンやアプリで培った表現をライブ配信向けに
デザインは、X(旧Twitter)で長く使われてきた作画エンジンの表現をベースにしています。そこに「特務機関NERV防災」アプリで培った地図や配色の表現を取り入れ、ライブ配信向けに新たに設計したものです。
Xでは文章のみで伝えていた緊急地震速報も、P波・S波の到達予想円を地図に表示します。地震情報とあわせて、音声読み上げでも知らされます。
インストールや設定が不要
アプリのインストールや設定、操作は不要です。テレビ、スマートフォン、タブレット、パソコンなど幅広い機器から視聴できます。
配信開始の背景
発表では、一部の携帯電話事業者で緊急速報メールが配信されない事態が相次いだことが背景として挙げられています。
10月16日に気象庁が発表した緊急地震速報(後に取り消し)では、送られたデータの形式が従来と一部異なっていました。このため、一部の携帯電話事業者で緊急速報メールを配信できないトラブルが起きました。
また、10月23日から25日にかけては、プログラミング言語PHPで見つかった重大な脆弱性への予防的対応として、一部の事業者で緊急速報メールの配信が一時的に停止されました。緊急地震速報や津波警報も対象に含まれていました。
ゲヒルンはこれらを特定の事業者に限らない、あらゆる情報伝達経路に共通する課題と受け止めているとのことです。自社のアプリやSNSアカウントも、さまざまな要因で中断する可能性があるとしています。
そのうえで、経路ごとの信頼性向上にくわえ、性質の異なる複数の経路で補い合う配信体制が大切だと考えているそうです。本配信は、アプリ、SNSに続く新たな経路と位置づけられています。
アプリやSNSとの違いと新たな伝え方
同社によると、SNSは全国の情報を広く届けられる一方、自分のいる場所に関係する情報や最新の情報を探しにくいという課題がありました。
「特務機関NERV防災」アプリは、ニュースアプリではなく防災アプリとして、現在地と登録地点の情報に集中する設計方針で開発されています。
一方、利用者からは、全国の情報をまとめて見たい、パソコンでも見られるようにしてほしいといった要望が多く寄せられていたそうです。ライブ配信はこうした声に応えるもので、アプリの補助情報としての活用も想定されています。
コメント機能を通じて、視聴者と一緒に状況を見守る場になることも期待されています。画面の構成や表示する情報、配信形式は、意見や実際の災害時の運用を踏まえて継続的に見直されます。うまく機能しない部分が見つかる可能性もあるとしており、その知見も今後の防災情報の伝え方に生かす考えだということです。
アクセシビリティの観点
ゲヒルンは数年前から情報のアクセシビリティに取り組んでおり、「誰もが自分に合った手段や形式で情報にアクセスできること」を意味すると説明しています。
アプリでは、英語対応、色覚特性・コントラスト・文字の大きさなどの表示設定、スクリーンリーダー用レイアウトなどが用意されています。
同社は、手段や形式を選べることにくわえ、情報が届く経路の可用性も含まれると考えているそうです。アプリを使い慣れていない人や、大きな画面で確認したい人にとっても、自分に合った手段のひとつになればとしています。
緊急地震速報の遅延と視聴時の注意事項
YouTubeのライブ配信の性質上、情報の発表から映像に表示されるまでに数秒程度の遅延が生じる可能性があります。視聴環境や通信状況によっては、遅延がさらに大きくなる場合もあります。
緊急地震速報は主要動(強い揺れ)の到達までの時間がわずかな情報です。本配信は他の経路に代わるものではなく、緊急速報メールやテレビ、ラジオ、「特務機関NERV防災」アプリのプッシュ通知などとあわせて利用するよう呼びかけられています。
そのほか、以下の注意事項が示されています。
- 防災情報を受け取る唯一の手段としての利用は想定されていません。
- システムメンテナンスや設備・配信ネットワーク、YouTubeの障害などで、配信が一時的に停止する場合があります。視聴した、あるいは視聴できなかったことで生じた損害について、同社は責任を負わないとしています。
- 個人・法人を問わず、第三者への再配信や、オフィス・店舗・街頭などで第三者に見せる目的での使用はできません。
利用範囲と法人向けの案内
本配信は、個人が自分で視聴することを想定しています。自宅のほか、職場などで自分が視聴する場合も、個人利用に含まれます。
法人・団体での業務利用やサイネージとしての利用、リアルタイム性を求める利用については、同社への問い合わせが案内されています。法人向けには有償のサイネージサービスが用意されているとのことです。
収益化は今後検討
安定的に継続するため、収益化も今後検討されます。YouTubeの広告、広告なしで視聴できる有料メンバーシップ、配信画面内での広告表示などが検討対象に挙がっています。決まり次第、あらためて知らせるそうです。
概要
名称は「特務機関NERV防災ライブ(総合)」で、配信開始日は11月2日です。視聴料金は無料で、配信場所はYouTubeです。開発は、同社の技術開発部 危機管理局が担当しています。
ゲヒルンは、東日本大震災から15年となる2026年に、一人でも多くの人の判断と行動を支える情報ツールの一つになればとコメントしています。
- 特務機関NERV防災ライブ(総合):https://www.youtube.com/@UN_NERV/live
- Original:https://www.appbank.net/2026/11/02/iphone-news/3152025.php
- Source:AppBank
- Author:Appbank編集部
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