地球のジェット気流は年間に渡って様々な動きをみせますが、基本的には、対流圏の気流は長距離にわたって全体的に西から東に流れていくのが普通です。しかし、現在の気流の状況は気象の専門家たちにすら理解できない状況になっています。
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地球のジェット気流が異常事態になっていると気象予報士が警告
「このジェット気流を見ると、狂気という言葉が頭をよぎる」と、フロリダの地元ニュース局の主任気象予報士ジェフ・ベラデリ氏はツイートしました。
When I look at this jet stream the word insane comes to mind. It's even more astonishing when you consider it's mid June! This configuration, likely enhanced by climate heating, is fueling a record heat dome so extreme that even experts are astonished! pic.twitter.com/GPbd0rjpst
— Jeff Berardelli (@WeatherProf) June 20, 2023
このジェット気流を見ると、狂気という言葉が頭に浮かぶ。6月中旬であることを考えると、さらに驚くべきことだ!この構成は、おそらく気候加熱によって強化され、専門家も驚くほどの極端な記録的なヒートドームを煽っている!
科学系メディア「Science Alert」は、動画の気流の流れと通常の気候パターンの図では「素人でも違いがはっきりわかる」と指摘しています。
気候科学者で作家のマイケル・E・マン氏はこのツイートに反応し「まるでゴッホの絵のよう」とコメント。同氏は何年も前から惑星の波の挙動を研究しているものの、このパターンは「特徴づけることさえ途方に暮れている」そうです。
I'm honestly at a loss to even characterize the current large-scale planetary wave pattern. Frankly, it looks like a Van Gogh https://t.co/NJmN54vC27 pic.twitter.com/xLtBLRZxFi
— Prof Michael E. Mann (@MichaelEMann) June 20, 2023
「Science Alert」によれば、ジェット気流は時折「ブロック」されますが、最近では気候変動がジェット気流を減速させることによって、通常よりも多くのブロックを引き起こし、ジェット気流がバラバラになり、地上に混沌とした天候をもたらすことが明らかになっているとのこと。
さらにこれに拍車をかけたのがエルニーニョ現象です。エルニーニョは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけ、海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続くなる現象です。
エルニーニョのために、これらのジェット気流の進路も緯度が変わり、アメリカの南部地域が熱ドームにさらされるようになった。米国だけでも4000万人が現在、高温注意報にさらされており、先週は広範囲で停電が発生した。ヒートドームの中心はメキシコ上空にあり、すでに鳥の大量死を引き起こしている。
— 出典:Science Alert
気候学者のマキシミリアーノ・エレーラ氏は、メキシコの一部の地域の猛暑は「カテゴリー7」のようだとのべています。暑さ指数スケールでの実際の最高ランクはカテゴリー5。つまり、「最高を超える」暑さになっているということです。
このような現象が起きているのは北半球雨だけではありません。例えばオーストラリア南部では、ジェット気流の影響で異常な雨天が続いています。
海面水温も未知の領域まで上昇しており、すぐに通常のレベルに戻ることはないと見られています。このエルニーニョはまだ本格化していませんが、テキサス州では魚の大量死が起こるなど、すでに異常事態がいくつも発生しています。日本ではまだ実感がありませんが、地球の気候は今、前代未聞の異常事態なのです。
- Original:https://www.appbank.net/2023/06/30/science-innovation/2500801.php
- Source:AppBank
- Author:岩佐
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